前のエピソード――５月２８日（木）広島市中区河原町にある本川沿いのベンチに座る。

広島市中区堺町にあるパン屋「BAKERY Roti」の総菜パンを食べる。

コンサートでも舞台でも、「BAKERY Roti」のタイムセールで惣菜パンを買ってから、川岸で食べて鑑賞することが多かった。

各団体の文化活動の休止を余儀なくされてからこのパン屋に来ることはなかったが、川岸のベンチへ行くことで買うこととなった。

チキン南蛮のサンドイッチが好みだが、今日は売り切れていたのでコロッケサンドと照り焼きチキンサンドを買う。

毎度同じ時間にタイムセールが行われているわけではなく、半額の時もあれば割引のない時もあるから、規則性があるのかわからないが、今日は２０パーセント引きで買うことができた。コロッケの優しい甘さに、チキン南蛮同様に手作りのおいしさがあるソースとマヨネーズの混ざった甘辛い味は、値段のわりにとてもおいしく、腹一杯にさせずに鑑賞へ向かわせるちょうどよい量となっている。

緊急事態宣言中にこの店がどのような形態をとっていたか知らないほど離れていた。近くに弁当屋さんもあるが、そこも鑑賞前後に食べることがあり、「BAKERY Roti」同様にどうなっていたか知らない。

芸術鑑賞活動と食事は関連があるのか。答えるまでもなく、自分の動きにおいて、一貫とした導線で結びついている。

早くとは決して言わない。以前とは異なる世界などと言うこともできるが、以前と同じ流線を自分は期待してしまう。