5月17日(日) 広島市中区中町にある寿司店「日の出鮨 ありあけ」で14貫テイクアウトを食べる。
広島市中区中町にある寿司店「日の出鮨 ありあけ」で14貫テイクアウトを食べる。
夕方こんなような電話があった「ジョルジュさんのパンがあるから、おかずがあるとちょうどいいかも」。すっかり酔ってベンチに座っていた自分はこう思った「サンドイッチがあるんだ、じゃあ、なんか買って帰ろう」。餃子か焼鳥でも買って帰ろうと袋町あたりを回り、フランス料理店の前で値段と相談してから、寿司を買うことにした。おかずになるか、とその時誰かに尋ねられれば、ならない、と答えただろうが、寿司を食べたい、もうこれでいいや、この2つの理由によって選ばれた。
家に帰って、14貫じゃなくて、6貫を2つか、10貫を2つにすれば良かったと、後悔も、反省もしなかった。サンドイッチではないパンを前に、間違えたなぁ、のそれだけで、時間は先にも後にも、どうにもできない。
そこで称賛に値するのは妻の対応で、この、およそ、シェアに向かない寿司という料理を、巧みに半分ずつ食べてくれた。おそらく、今後も寿司をシェアすることはそうそうないだろう……、と思ってすぐに、またあるだろうと思った。
とにかく、仕事の速さで、次々と寿司を半分ずつにしてくれるので、自分は夫婦らしい濃厚接触を気にせず他人の唾液のついた半分の寿司を食べていく。握りたてだからか、今の気温のせいか、ネタが温いといったら……、夫婦喧嘩を食べない犬のような具合だろう。なまなましい。
とにかく、逆の立場なら疑うことなく激怒していただろうに、なんと、まあ、すんなりとシェアしてくれたものか。こんな時に、いかに人は自分を棚にあげて生きているかと実感し、また、不都合に合わせて都合を合わせていく応用力の高さによって、悪くない夕食の時間が保持されていると気づく。そう、支え合いが人と人との楽しい時間を生み出すから、たとえ半分にしにくいイカを割ったとしても、杓子定規ではなく、なんとなくの半分で正解なのだろう。
第1に、人の話す内容をしっかりと考え、第2に、面倒だからと仕事を放棄しないことだ。そして第3に、どの寿司ネタも半分ずつ美味しく味わえたのだから、テイクアウトだからこそ生まれた妙な味わいだった……、なんてオチをつけずに、ちゃんとパンに合ったおかずを買うべきだった。
とはいえ、結果オーライだ。
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