4月29日(水) 広島市中区榎町にあるカフェ「小春カフェ」のテイクアウトハヤシライスを食べる。
広島市中区榎町にあるカフェ「小春カフェ」のテイクアウトハヤシライスを食べる。
どうやら五月病らしい。それは三月から忙しい環境に身を置く新入社員が必死に慣れようと走り続けた結果の途中休憩のようなものだと、近い意味で説明された。知っているけれど、身を持って体感したことはないかもしれない。
途中でひっくりかえしたらしい。最近弁当を買いに行って、店のおじさんが「さっきおかあさんが戻ってきて、子供がどうやら玄関先でひっくりかえしたらしいんだけど、子供だし、悪気はないから、怒ることもできないしねぇ」と言っていたから、きっと代金をもらわずに新しいのを手渡したことだろう、優しい人だから。
そこでおろしハンバーグ弁当を買い、自分もひっくりかえし、家の台所で汁をすべてこぼしたのだから、その子供にも、五月病らしき人にも怒る気になるわけがない。ひっくりかえった仲間達だ。自分はさらに、昨日テーブルに皿を落として割った。皿が、さらわれて、なくなった。
そんなわけでデミグラスが甘くおいしい「小春カフェ」のハヤシライスをビニール袋の底のルーをすくって食べる。店の名前の響きが同調するような錯覚となる季節になり、ついつい環境の変化にひっくりかえって、心がこむらがえりしてしまうのだろう。職場のサンスベリアに水をやるためにとんがり部分をつかんだら、こちらも引っこ抜けてひっくりかえってしまった。
食後に鉢の植え替えをしてから、それを職場まで運ぶことにした。水を吸って重く、自転車に乗ったまま片手で持つにはきつかったので、途中でひっくりかえしそうになった。
さすがにこれは派手に割れるので、途中で歩いて運び、水だけをぽたぽた垂らしながら無事に着くことができた。
ひっくりかえったら、ひっくりかえった状態を考えればいいのだろう。無理に働くこともない、休める時期なのだから、休んでしまえばいいとハヤシライスが言っていた。どうせいつか動くのだから。
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