前のエピソード――３月２９日（日）広島市中区大手町にあるイタリア料理店「カフェポンテ」でパスタとドリンクのセットランチを食べる。

広島市中区猫屋町にある自転車店「キンダーランド十日市店」で自転車の後輪のパンクを修理してもらう。

昨夜は何もなく自転車に乗っていた。ところが今朝、出勤しようと出すと、後ろのタイヤがべちょっとしている。そんなに飲んでいないのに思わぬ深酔いした昨晩と身辺の重たさが集約したように、いや、身代わりとなったようにパンクしている。職場が近いからこそ分刻みの出勤時間となっているので、このままではタイムカードに間に合わないと、自転車を置いてランニングすることになった。

明日の午後は雨だったっけ……、明後日はたしか雨だったから、いつ修理に行こう……、修理代金は足りるかな……、ひどいパンクだと足りないかも……、でも、明日は月末だから……、仕事帰りにケーキを買いに行こうと思ったのに……。

などと考えた結果、昼の帰宅時に自転車と家賃分をとり、仕事後に「キンダーランド十日市店」へ修理に行った。

前に乗っていたマウンテンバイクもパンクしたことがあり、その時は住民の誰かの悪戯だと疑っていたが、単なる消耗としてのパンクだったので、今回は誰も考えずにいた。そもそも街乗りに適さない分厚いタイヤなので、貫通させてチューブにダメージを与えるのはたやすいことではない。

日頃から空気入れを借りるばかりでなく、わりと自転車の故障を診てもらうことが多いこの店は、時折キンダーガーデンと呼び間違える。ドイツ語の使われたこの店名の由来はもちろん知らないが、お兄さんの修理の腕はとてもよく、けっこう変わった性格の職人気質の人が珍しくない自転車屋のなかでも、安心して診てもらうことができる。

１０分くらいで直りますので、というので突っ立って文章でも書き、建物の壁によりかかって腰をおろし、それをポメラに入力しようとすると、もう直ってしまった。穴は１箇所で、応急処置で塞いでくれた。修理代金は自分の見積もりよりもずっと安く済んだ。

ついで前輪ブレーキのあそびを調整してもらうと、ブレーキパッドがずいぶん減っているとのことなので、交換の為の部品を注文して、２周間後くらいにまた来ますと言うと、わかりましたと、なんら擦れのないスムーズなやりとりで終わる。

頼んでおいて忘れてはいけないので、メモして家のテーブルに置いておこう。おかげで、予定通りケーキを買って帰宅することができた。