2月22日(土) 広島市西区横川新町にある広島市西区民文化センター・スタジオで「第28回 横川落語会『古今亭菊志ん 独演会』」を観る。

広島市西区横川新町にある広島市西区民文化センター・スタジオで「第28回 横川落語会『古今亭菊志ん 独演会』」を観る。


蝦蟇の油

蛙茶番

真景累ヶ淵


今年度の横川落語会は今日で一区切りだ。前回の古今亭菊丸さんの高座を観られなかったのが心残りでしかたないが、来年度の予定もできあがり、年間パスポートの申込みも始まった。


「蝦蟇の油」の軽妙な口上と香具師の酔っ払った姿で笑い、銭湯の湯船に浸かる前の掛け湯のようにさっと過ぎる。伊達で生真面目よりも、柔和で親しみやすい話芸だから、酔っぱらった口上の描き方でのちょっとしたつぶやきがとても身にしみる。


蛙茶番は、珍しく菊志んさんの発案で3つの演目から観客の拍手で選んでもらう形となり、演じられた。下ネタというのはまさにこの演目をいうのだろう、赤いふんどしのない青大将の顕な股間に蛙が怯えるという、なぜかテレビ番組のコントが頭に浮かぶほどの珍しくない古典落語に、けらけらと笑うばかりだ。


マクラで話されていたのが、広島のお客さんはわりと人情噺を好む割合が多いということで、真景累ヶ淵が演じられた。「豊志賀の死」と「お久殺し」を聴いていて、茶目っ気とユーモアがうまく組み合わさった菊志んさんらしさを持ちながら、江戸落語らしい粋っぷりはそれほど感じなくとも、演じる実力は変わらない。細かい表情の動きに人物が宿り、どちらかというと女性的な語り口であるも、物語そのものが持つ不穏な空気が流れ、百物語を聴くような怖さがあり、叫び声をあげた瞬間に何人ものお客さんが一緒に悲鳴をあげるという納得の内容だった。まだ数回しか菊志んさんを観ていないが、こういう味わいもあるから面白い。


もらった申込み用紙はここで提出できないので、日程と自分の都合を勘定してから来年度の年間パスポートの申込みを記入しよう。仕事に限らず、趣味にも迷惑がかからないよう体調に気をつけて、今度は穴をあけないようにだ。

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