2月2日(日) 広島市西区打越町にあるインド料理店「カマルカフェ」でハッピーホリデーランチを食べる。

広島市西区打越町にあるインド料理店「カマルカフェ」でハッピーホリデーランチを食べる。


中華料理かカレーに目星をつけて、横川駅近辺でランチをとることにしたが、どちらの店も開いていなかったので、たまには散歩して、気になった店に入ることにした。


近いがあまり行くことのない横川エリアで、横川シネマ近くの横道に本屋があることを知った。また駅の裏にテナントが並んでいるのも知らなかった。


開いている店が少なく、ラーメンの気分でもなかったので、駅の裏で目にしたインド料理店に入ることにした。フェイスブックのシェアで見たことのある店で、このカレー屋がどこかにあることを知って探している節も自分にあった。


カレー2種を味わいたかったが、少し予算が超えるので1種とサラダ、ドリンク付きのホリデーランチを注文する。ダールがあればそれにしたが、なかったのでサグチキンカレーにした。オクラ、カリフラワーに並んで、ほうれん草はインドカレーにとても合うので好きだ。


サラダは、チーズの混ざるクリーミーなドレッシングで、ぱらぱらのる小片のパパドは胡椒らしき辛味が利いていて、豆の風味も平たい中から膨れ上がってくる。


ラッシーは、まず口に飛び込む遠慮ない甘みが嫌味なく、マイルドな自家製ヨーグルトはどんよりした既製品の雑味と酸味がなく、こんもりした白雲のようにふんわりとした味がある。とてもおいしいラッシーだ。


カレーは、5辛にしたからやはり辛い。しかし汁なし担々麺のように派手に汗が出るわけではなく、久しぶりに辛さによる意識の薄れを感じたにしても、それほど辛くはない。色々な味の混ざる濃厚で甘く、クリーミーなほうれん草のカレーは、とてもおいしい。ふと思い出したのは、インドカレーのおいしさの1つに香りづけされた油の味があり、熱く辛い濁った緑のカレーを口にしていると、判別つかないスパイスや野菜の熱を通した新鮮な風味がある。作りおきのカレーにはこの生きた油の味がなく、元気がないと言うか、やはり落ち着いてしまっている。冷めてくるとほうれん草独特の風味が熱によって甘さに変化されてコクになっているのがわかってくる。


ナンは、薄く、ちぎって口にすると、甘くない。表面の油もすこし光るだけで、近所のインド料理店に比べると、そっけないくらいだ。しかし、もっちりしているってわけではなく、生地の結びつきがやわではなく、コシという言葉を使いたくなるほど噛みごたえがあり、噛めば噛むほど豊かな小麦の味が奥から次々と現れてきて、カレーに負けない存在感となって無愛想に相性を合わせる。この強さは、ピザを思い出させるほどだ。


たしかな手作りで良い味があった。他のカレーや、サブジ、ビリヤニ、チャイなど、他の料理はどんな味なのかと気になった。個性があるメニュー表も手作りの手間があって、無味乾燥な雰囲気は一切ない。掘りごたつらしきテーブル席も面白く、カウンターに座りながら、近くにあった広島大学の現代インドに関するレポート冊子に手をとり、たまねぎ、じゃがいも、とまと、きゃべつ、かりふらわぁぁ、おくら、などの生産量に関する報告に目を通して、後頭部の汗が引くのを待つ。ムンバイ、デリー、バンガロールなど、インドの市場でも細かくも大きな変化があるのだと、オクラカレーが食べたくなった。

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