1月25日(土) 広島市西区横川町にあるピザ店「ピッツァリーヴァ」でマルゲリータを食べる。
広島市西区横川町にあるピザ店「ピッツァリーヴァ」でマルゲリータを食べる。
ピザが食べたいと数週間前から思っていた。この料理は自分にとってカレーやラーメン、お好み焼きのように頻繁ではないが、周期的に食べたくなる。パスタよりもずっと強く。
せっかく食べるならまだ入ったことのない店がいいので、広島に来て第一に知った「ピッツァリーヴァ」へ行こうと考え、ふと、予約することを思いついた。いつ覗いても満席で、それが理由で食べる機会がなかった。
舞台やコンサートは気楽なのに、なぜか食事を予約することには抵抗があった。慣れていないというのもあるが、1人分を予約することが恥ずかしいというよりも、申し訳ない気持ちがあったのだろう。しかしいつも満席の店へ行くには、やはり予約が必要だ。
チケットでも歯医者でも、何も気にせず予約している。それを食事にも置き換えて電話し、ようやく「ピッツァリーヴァ」で食べることができた。これからも気にせず予約をとることにしよう。
初めての店はまずマルゲリータということで、それを頼み、あとは赤のハウスワインを頼む。ついつい怯んで前菜はやめにした。
客は開店直後でけっこう入っているも、ピザはすぐに出てくる。いつもどおりトマトソースだけを口にして味を確認すると、明かりが口に灯るようだった。輝かしく膨らむ太陽の甘みにとげのない酸味が下支えしていた。次にモッツァレッラを口にすると、ミルキーな味がまず広がり、噛みごたえのある弾力性がべたつかずに歯を何度も動かせる。そして生地は香ばしく、塩っけも中間にあり、全体として柔らかくも堅くなく、小麦らしい風味が確かに感じられる。さすが人気店となるおいしい味だ。しかし、マルゲリータの感想はいつも同じような文章になってしまう。ハウスワインは値段の割にという質だった。
ピザを完食してから、ピスタチオのジェラートとエスプレッソを頼む。粉っぽい風味がしっかりある味に、とろっとしないちょうどよいかたさに、舌触りはイタリアアイスらしい強さがある。ふと本通りにあるジェラート店を思い出す。砕かれたピスタチオの粒も入っているが、冷たい口にはその風味はどうも感じにくい。エスプレッソはまっすぐな味だ。
噂通りのおいしい味に満足するも、やはりピザは気軽に入れて、さっと食べれる手頃な方が自分には合っているのだろう。誰かと食事するのではく、特に一人ならば。すると近所にあるピザ店こそ、同じく近くにある北京中華料理店のように、生活の中で身近に食べられるのだろう。
何にせよ、広島にお好み焼き屋があるように、東京にラーメン屋があるように、世界中にピザ屋がある理由もわかったような気になる。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます