1月18日(土) 広島市中区榎町にある中華料理店「福臨門」でえびちりランチを食べる。

広島市中区榎町にある中華料理店「福臨門」でエビチリランチを食べる。


触発と追従だ。近くにある台湾料理店に行ったことを聞き知り、2年前に目をつけて行こうと思いつついまだ入っていないことを思いだした。ランチがあるのも知らなかった。さっそく行こうと決めた。


ところがグーグルいわく、土曜日は夜の営業だけらしい。かわりに何を食べようか、北京の中華料理か、それともピザか、考えた結果、ランチ営業を休んでいて、再開しているという「福臨門」に行くことにした。そもそもランチを休むなんて、自分が店の前で見たような気がするも、どうも疑わしい。


ひさしぶりに入ってみると、厨房にはいつもの人がいなかった。いや、そもそも自分は他に人がいるのを知らなかっただけではないだろうか。ホールのスタッフも女性ではなく、まだ慣れが必要な男性だった。


以前も頼んだことのあるエビチリを頼む。フリットという言葉が浮かぶ柔らかく丸い衣とおかずのある定食は前と似ているが、味とソースはどうも異なるようだ。先鋭化された味の海老とソースではないが、甘みのある酸味に中華料理の持ち味を思い出した。


数日前、平日は必ず昼食にしている居酒屋の弁当にホタルイカのぬた和えが入っていて、まるで宝くじでも当たったような気分になった。ワンコインの弁当に酢味噌とネギの入ったおいしさを味わえるなんて、たった一品のおかずが支払いの全額をまかなう気がした。それと似たように、主菜のエビチリではなく、どんよりしたおでんに金額はイコールした。牛すじがたっぷり出てしまった汁は濁った時間の経過を感じるも、この古風というか、すこしだらしないおでんの味わいが良い風味になっている。それに崩れた厚揚げの重たさといったら、古物店のような濃さがある。牛すじのかすらしき脂も悪くない。


店主は変わったのだろうか。それは別にしても、ランチ営業にこの店があるのは心強い。安くておいしいという基本の中華の味が、ここでは必ず楽しめる。

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