12月30日(月)、31日(日) 江戸川区中央にあるホステル「江戸東京ホステル」に泊まる。

江戸川区中央にあるホステル「江戸東京ホステル」に泊まる。


実家は満室なので他の所で泊まるにしても、わざわざ実家のある町田から離れた新小岩に泊まるのは、値段と目的によるからだろう。


夜の飲みを1次会だけできりあげて、22時に過ぎにチェックインするべくホステルに入ると、受付と寝場所が同じ一室にあるので驚いた。小学校の時に、「玄関入って5秒でベランダ」という同級生をからかう文句が口々に言われていて、今は自分がそんな住まいで生きているが、このホステルは「玄関入って5秒で寝床」といった具合だ。


向かい合うカプセル型のベッドの中央にテーブルがあり、トイレと台所、シャワールームへ向かうところに受付と入り口がある。今までに経験したことのない間取りに少し戸惑う。


しかしホステル自体は何も問題はなかった。寒がりな自分は厚くない掛け布団こそ気がかりだったが、暖房がフル活動しており、砂漠に近い湿度になっていたがマスクしていれば喉と気管への影響は少ない。


消灯が23時から翌の9時という朝の遅さも違和感はあったが、実際は問題ない。他の宿泊客も明かりのない中で支度をしているので、すれ違いに挨拶する気はならず、黙々と各自が動いている。


寝る前にふと思ったのが、何事もプライベート性が高くなると安心と快適は増すということだ。身構える姿勢は崩れて、弛緩したままでいられる。飲むにも移動するにも、個室は高くなり、共有すると安くなる。ただ得られる経験と情報は安い手段のほうが多く、ドミトリーがさらに広がってレセプションとコモンルームも飲み込んだ部屋や、他の人と向かい合う電車内にいると、外見の違い、服装、仕草、声と動作などにどうしても気は向いてしまう。それが生活していくなかで、思いがけず役立ったりする。創作だったり、小話だったり、自分の振るまいだったり。


わざわざ苦労するのは酔狂だが、わざわざそうしたほうが磨かれるのだと、スタッフも一緒に各自が動く一室で考えてしまうも、暇で配慮を持たない人間が消灯時間を過ぎてもグーグル翻訳を相棒にかまわず声を出しているのを足元近くで体験すると、やはり個室は静かに眠れるから宿泊客を賭けるようにはならないから良いと思ってしまう。


とはいえ、こんな体験が話のねたになるから、やはり不便には価値があるのだろう。毎日では困るけれど。

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