10月6日(日) 広島市西区横川町にある焼き鳥屋「豚鳥 横川店」でカレー6種を食べる。

広島市西区横川町にある焼き鳥屋「豚鳥 横川店」でカレー6種を食べる。


2日前にお店を訪れた時に、カレーのイベントがあり、150食分ちかく仕込むと言われていた。それは大変だと思った。


最近カレーを提供する店が広島市内に増えていて、流行っているという話を聞いたことがあったので、その流れの中かと思ったら、店主さんが、最近カレーは流行っているんですかと逆に訊かれた。タピオカよりもカレーが巷に溢れるほうが自分としては嬉しい。


ということで、6軒のお店が集まってそれぞれのカレーを味わえるそのイベントに行ってきた。皿の上に各お店のカレーが米を中心に囲っていた。メニューを読解する能力がないので、どの店がどのカレーか読まずに、わからないまま口にした。最初が鶏の挽き肉の入った黄色いカレーで、胡椒サイズの粒が入っていたので噛んでみると、風味を汁に捧げられた柔らかい山椒だったらしく、ほんわかと口に広がった。


次がやや冷たいカレーで、酒粕のような風味に、タマリンドか、それとも梅干しかわからないが、それらのようなコクのある酸味がした。何か固まりがあるので口にいれると、柔らかくも歯ごたえのある食感がして、トマトかと思ったが、林檎だろうか、よくわからなかった。南アジアらしいテイストの酸味ながら、和の要素らしい甘みも混じり、エキゾチックな味わいになっていた。


他にもココナッツミルクがマイルドなカレーや、何かのハーブが入った緑色のカレーもあったが、最も自分の舌を騒がせたのは、羊らしき味のするカレーで、臭みを風味へとそぎ落とした肉のジューシーで豊かな味わいが素晴らしく、粘りよりも汁気が澄んでいてすっきりしたコクがあり、とても上品な仕上がりになっていた。本当に美味しかった。


あとあと確認したらそれは「山椒魚」さんの山羊のカレーらしく、始めに口にしたのが「豚鳥」さんで、最も異質に際立ち、酸味と甘みがやけに異国の味との融合を感じたカレーが「はせべ」さんだった。


米が少なく感じたのは自分の腹の基準で、何かしらハプニングがあったらしく、その影響だろうか。立ち食いで水も出ないのにこの値段なのは、ここの場所になったいきさつを聞いていて、イベントという特殊な楽しみだからこそ頷ける。仮に初めての来店で、スタンダードの料理として店で提供されているとしたら、正直高く感じるだろう。


それぞれ強い個性が出ていて、様々なスパイスと食材によって舌を刺激されたので、食後もぴりぴりと後頭部を主に汗を流し、ゲップで風味の反芻となった。大盛りがあったら、確実に頼んでいただろう。

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