10月5日(土) 広島市中区十日市町にあるカフェ「tsuyu coffee」で特製スパイスカレー ドリンク・スイーツセットを食べる。
広島市中区十日市町にあるカフェ「tsuyu coffee」で特製スパイスカレー ドリンク・スイーツセットを食べる。
いつからか、マンションの駐輪スペースにカレーの匂いがするようになっていた。自分の自転車をとめているすぐ近くに排気口があり、どうもそこから鼻を釣るスパイスの香りがやってくるらしい。
すると1Fにある服屋さんの中にカフェができるそうで、今月の初めにオープンしていた。カルダモンが最も大きな香りを出していて、時間帯によっては肉の匂いもあったから、グリーンカレーだろうか、キーマカレーはあるだろう、などと色々想像していたので、確かめるために行ってみた。
服屋さんの中に併設されているので、内装がとても可愛らしい。窓ガラスが大きく、こうやって外を眺めると普段見慣れている空鞘稲生神社も違って見える。それはテラス席もある近くのジャム屋さんでも感じたことだ。
お客さんが入っていて混雑していたから、店内は新規オープンらしい初々しさがあって誠実な慌ただしさも少しあった。
赤いんげんとひよこ豆のサラダは酸味がとても爽やかで、玉葱の辛味もあってカレーによく合う。やはりカルダモンが色っぽいキーマカレーで、たまに粒が口の中で噛まれてぶわっと香りが放散する。黄色い米の色付けを知りたくて何度も嗅いでみたが、やはりわからず、訊いてみるとターメリックにローリエが香りづけされているらしく、甘さはバターもあるそうだ。辛さはほどほどにあり、肉とカレーはじっくり煮込まれてスパイスの渾然とした生きた味わいがある。コーヒーも合わせてみてはいかがと運ばれてきて、ネルドリップでの深入りのケニヤを飲むと、澄み切っているが強さを持つ味がカレーと派手な変化を起こすのではなく、渋い老紳士が公園のベンチで和むような感覚に襲われた。
タルトは洋梨で、サブレ生地は薄く頑丈ではないが、しっとりした生地は作り手の性格を感じさせる家庭的な味で、まだ温かさが冷めない柔らかい甘さだった。スライスされた洋梨はシャキシャキした食感に、決して強く主張しない控えめながら彩りのある甘みが含まれていた。
おそらく、ターゲットはもっと可愛らしい女の子たちだろう。そういう子達が似合う場所だ。夏の坊主頭でエアコンを嫌った蒸し暑い部屋に上半身裸でいれば、ガンジーと呼ばれる黒く痩せた自分には、気持ち米の量が少なかった。それに、写真が映えるという言葉の正反対にあるような写真は、10年近く前のipod-touchで、いかにも時代に取り残された古臭い人間性が表れてしまった。これを投稿するのは、お店の人に申しわけないくらいだ。
ときおり無性にカレーを食べたくなる時があるから、突発的な欲求を満たしてもらうことになりそうだ。
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