8月25日(日) 広島市南区段原にあるラーメン屋「麺匠 かけはし」で鶏そば親子丼セットを食べる。

広島市南区段原にあるラーメン屋「麺匠 かけはし」で鶏そば親子丼セットを食べる。


この近辺で何かしら昼ごはんを食べられるところをグーグルマップで調べたら、蕎麦、ラーメン、トンカツ、ステーキがあった。どこに行くか考えずに、その時の気分と、客の混み具合で決めることにした。


昼に比治山を降りてから、場所がわかりやすいラーメン屋へ行くと、空いているので入ることにした。


鶏そばの中太麺を頼み、ついでに小さい親子丼も券売機で買う。カウンターに座り、隣のお客さんを見ると、卵ごはんらしきものがあり、昨日観たモネの太陽のような輝かしい黄身が小皿に光っていた。珠だ。黄身にしては小さい、イクラではなく、とびこのようだ。


あれを頼むのが正解だったかもと考えていたら、底がやや深い、円錐をひっくり返したような器の鶏そばが運ばれてきて、続いて親子丼も来た。すこし量が多いかと思ったが、それほど大きくなく、食べたいと思っていた小さな太陽がのっかっていた。カウンターの前に説明書きがあり、きんかんというらしい。初めて知った。


白濁したスープの鶏そばを見下ろして、これが鶏そばか、ラーメンではないのかと思った。家から遠くない「楽」の鶏そばはスープが透明に近く、干しエビのだしも強いにしても、自分の中では鶏そばの代名詞になっていた。スープを飲むと、香ばしいニンニクが香り、クリーミーでやや塩っ気のあるまろやかな味がした。この味は、昔、町田中央図書館の斜向かいにあるバスターミナルの上にあったラーメン屋の味を思い出させる。白いスープに粒コーンが散らばり、好きだったのに閉店してしまい、似たような味は食べてこなかった。


あれは鶏そばではなく、ラーメンだった。これも鶏そばではなく、ラーメンだろうか。どうでもいいことだ。


葱の切り方は細長くて食感がよく、鶏肉のチャーシューはしっとりしてとても柔らかく、これほどパサつかないのは初めて食べた。鶏がおいしい。親子丼を食べて、やや味付けは濃いが、それと同じくらいに黄身も味が濃い。きんかんと呼ばれる小粒の黄身は、命の凝縮だろう。封じ込められたおいしさだ


この店は鶏がおいしい。中太麺もスープにとても合い、するっと口に入り、自然と喉を抜ける。自分にとっては幾分塩味を強く感じてしまうが、それでもくどい味ではなく、腹にもたれることなくスープも飲み干せる。


また来たときは、卵かけごはんを頼んでみよう。

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