8月10日(土) 呉市中通の日本料理屋「割烹 周」で天麩羅刺身セットを食べる。
呉市中通の日本料理屋「割烹 周」で天麩羅刺身セットを食べる。
寿司屋のカウンター席は緊張するが、料理屋はそれほど恐れずに座れた。ただし、表にメニューと値段の書かれている場合は。
気早なので、11時40分の開店と知らずに扉を開けてしまい、10分前なのに座らせてもらう。ランチは目移りするほど種類があり、鰻丼、穴子丼、イクラ丼、刺身や天麩羅のセットに、周定食など、どれも食べたくてつい迷ってしまう。
結局、天麩羅刺身セットを頼む。一品一品出てくるわけではなさそうなので、そわそわすることなく、文章でも書いて時間を使う。カウンター越しの調理場の壁には、柿右衛門みたいな立派な大皿が飾ってある。
料理が運ばれてくると、品目に嬉しくなる。
天麩羅は、南瓜は柔らかすぎず、茄子は肉厚で歯ごたえが残り、しし唐は辛味のある甘さが引き出され、紫蘇の葉はさくっと、海老は締まるも太く、ふわっとした淡泊な味に香りよく、豪快に衣に包まれたのが2尾だった。海老がステーキと同等の位で何度も噛み締められた。
刺身は、魚の種類はわからないが、鯛のような白身の魚は脂のりがほどほどに、暑い季節に合い、噛めば噛むほど上品な味が出てくる涼しさで、鰤のような脂の乗った魚は、肉厚がジューシーに口の中でとろけて山葵が良く合い、細い烏賊はつるっとするも、小さい頃は嫌いだったねっとりした食感が何度も噛まれてうまみを広げる。山葵は山芋でも入っているように粘着性があり、辛みの高さはあるが一気に伸びず、その前に梅紫蘇の酸味と勘違いするような赤をイメージする味わいが口に広がる。海草も食感良く、この暑さに極めて合う。
吸い物は、柚子が香り、熱さがあるので気をつけながら啜ると、塩気のうまい奥行きがある。適度な長さの榎茸は、繊維がいつまでも口に残らない。
何と呼べばいいのだろう、小鉢の中は酒粕と味噌に、魚のほぐした身か、干した烏賊だろうか、海鮮が入っていてとても風味が強く、酒も米も沢山口に欲してしまう味だ。
香の物は、それ専用の醤油が一緒に出されて、刺身醤油よりも味が重たく強い。浅漬けの胡瓜の食感とほのかな淡い酸味が良く、これには醤油をつけるが、沢庵は乳酸菌がしかと味付けしていてとてもおいしく、赤紫蘇のものは、爽やかな酸っぱさであっさりとしていて、醤油はつけなくても十分だ。
折角呉まで来たから美味しい食事を、という願いは見事に叶い、次来る時は、穴子丼のセットを食べようと決める。
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