10月5日(金) 広島市中区本通にある「和楽堂」でぐい呑を買った。
本通にある「和楽堂」でぐい呑を買った。
今日から会社の社員旅行で四連休だ。仙台や奥州を訪れるらしいが、パックツアーと金額、性分が合わず、羨ましくも参加せず、一人で柳川と熊本を訪れるつもりだったが、台風の影響でやめることになった。悔しい。
その分だけ平日の広島市内を観光する気分で歩くことにした。
本通の入口の角に和雑貨の店があり、入ったことはないが、そこを通るたびにショーウィンドウを覗いていた。今日は川連漆器の難物市とあり、中に入ってみると深みのある艶と、軽くて滑らかな肌触りの漆器に魅了されてしまった。
初めて聞いたこの川連漆器は、秋田県とのこと。旅行に行けず、仙台に行っているであろう同僚を羨ましく感じながら、秋田県は遠いなと思いを馳せた。食器は慎重に買わないといけない。植物のほうが部屋の空間を占領するのに、いともたやすく衝動買いしてしまう。なぜか食器には理性と歯止めが働く。
椀も良いが、やはりぐい呑を最初から探していた。幅をとらず、毎日酒を飲む自分には靴と同じくらい身近に存在するので、熱くなりきらない趣味がこの小さな器に集約されている。
樽型の小さな物を買った。店の人が親切な方で、色々と説明をくれた。目の綺麗な人で、心根と過ごしてきた時間の良さが透けて見えるようだった。ある程度歳を経た人の顔は内面がにじみ出てしまう。化粧では隠せない、むしろ化粧の濃さで内面が表れてしまう。大切なのは日頃の所作で、それが細かい顔の良さを形成する。そんな感じの良さがあった。
スプーンは口当たりがよくて良いと勧められ、たしかに軽くて流線が綺麗で、鉄器では歯にあてやすい自分も余計な音をたてることはないかもしれないと思った。ただ、貰い物に、とても良い漆器のスプーンが家にある。もっと使ってみよう。
いつか秋田に行ってみたいなと思った。
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