6月28日(木) 広島市中区袋町にある「頼山陽史跡資料館」を観た。

旧日本銀行広島支店の道の奥にある頼山陽史跡資料館に行った。


頼山陽の揮毫した掛軸や、「日本外史」の木版・活版本、「日本外史」を読み解くための字引や、本に対する批評本などが展示されている。


習字と漢文の素養があるならおおいに楽しめる。それがなければ資料から何かしらの印象を感じ取ることに集中される。


資料館の文人庭は、足立美術館の庭園も手掛けた中根金作による作庭だ。アオギリや芭蕉が目立つ。北側に建つビルの壁面が庭の印象に影を落としている。


資料館で得られるものの一つには、過去の人物の実像の手がかりがあり、読み慣れない漢文に記された内容には、気概を持って人生に望む青年ならば誰でも抱く純真な展望や、自信と傲慢に溢れる好ましい若さなどが読み取れる。


歴史的な人物も一人の人間で、立派な人格者にも時おりつまらないことで悩む姿がある。長い人生からこぼれた一場面の遺物からは、等身大の人間を観る面白さがある。

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