第207話【人間の終わり】

「まぁお前の想像とは違う事になるだろう」

「違う?」

「その通り、 まず子の成し方を知っているか?

女の胎の卵に男の精が付く事で子が出来ると言う事は?」

「まぁ何となくは知っているよ、 それで?」

「ならばだ、 私の卵とファウストの精、 それが有れば

私の胎で育てる必要は無いのではないか? と思う訳だが」


何を言っているかスクラッチは理解出来なかった、 しかし背筋が凍った。

何か、 とんでもない事を言っている、 と言う事は容易に理解出来た。


「・・・・・如何言う事だ」

「私とファウストの受精卵を別の女の胎に入れる

それならばより多くのファウストと私の子を沢山作る事が出来る、 子沢山だな」

「そんなに人間の子供の作り方じゃねぇ」

「新しい妊娠の形、 と捉えて貰おうか

古い風習は消え去り、 新しい風習が出来る、 それだけの話だ」

「新しいだと? 終わっているよそんな考え

そもそもそんな事出来るのか?」

「私一人ならば不可能だ」

「・・・・・協力者が居るのか!?」

「そのとーり」


メフィストフェレスの後ろから黒い影が現れた。


「な、 何者だ!?」

「どーも、 こんにちは、 『たいし』といいます、 いごよろしく」

「たいし・・・何だお前は・・・魔物か?」

「魔王の最強の四匹の配下『四天王』の一人だよ」


メフィストフェレスが解説する。


「お前・・・魔王と手を組んでいたのか?」

「ぎゃくだよ、 ぼくがめふぃすとふぇれすとてをくんでいたんだ」

「・・・何だと?」

「ぼくはね、 ぼくのあるじのめいれいでまおうをさぽーとしながら

にんげんのてだすけするやくめをもっているんだ」

「主?・・・魔王の手下じゃないのか!?」

「まおうはただのよういんだ

ぼくのもくてきはすごいにんげんをつくりだすことなんだ」

「凄い人間・・・?」

「そのとおり、 だからのりこえるべきしょうがいとしてまおうをはいちしたりしている

まおうじしんはそのことをしらないけどね」

「つまり・・・何だ? お前が魔王を生み出したと、 そう言う事なのか?」

「うん、 ちなみにまおうをつくるほうほうだけども

さっきめふぃすとふぇれすがいっていたほうほう

すなわちたいがいじゅせいでまかなっている

つよいまもののせいとらんをからだのそとでじゅせいさせるってほうほうさ」

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