第161話【心血を注ぐ】
【大統一盗賊団】の本拠にて、本拠と言っても荒城だが。
そこに首領マグスが部下達を前にしていた。
「首領!!また王国軍が攻めて来ましたぜ!!」
「今週に入ってもう六回目・・・確実に押されて来てます、如何しますか首領!!」
「・・・・・」
マグスは気だるげに椅子から立ち上がった。
「首領!!」
「そう何回も言うな・・・聞こえてるよ・・・」
「一体如何すれば」
「ごちゃごちゃ五月蠅い、次に騒いだら殴り殺すぞ」
「・・・・・」
マグスは普段は低血圧で気だるげだがスイッチが入ると狂暴になるのだ
部下達もそれを知って黙る。
「・・・・・・・俺はよ、考えてたんだ、連中を倒す策?って奴を」
「それは凄い・・・それで一体如何するのですか?」
「俺のスゲェパワーが何か拾った心臓の力だって言うのは知ってるよな?」
「え、えぇまぁ」
「それで俺は考えたんだ・・・」
マグスは自分の手首を掻っ切った。
「しゅ、首領!?」
「黙れ」
「むぐ!?」
部下の一人を掴むと自分の血液を飲ませ始めたマグス。
「な、何を・・・」
「心臓でパワーアップしたんなら、血液でもパワーアップする筈だ、どうだ?」
「う、うおおおおおおおおおおおおお!!!」
血液を飲まされた部下の眼が血走り
体が隆起する、筋肉が体から湧き出る様だった。
「す、すげぇ!!」
「首領!!俺達にも血を下さい!!」
「良いとも・・・」
「ぐ、ぐああああああああああああああ!!体が!!体がああああああ!!」
絶叫を挙げながら筋肉が尚も膨張し続けるそして湧き出た筋肉がパン
と小気味良い音を出して弾けてしまった。
「なっ・・・」
「う、嘘だろ・・・」
「あぁ・・・血が多過ぎたかな」
「う!!うわああああああああ!!」
逃げようとする部下達、だがマグスは回り込んだ。
「逃げるなよ、強くなれるなら御の字だろうが」
「ひぃ!!お、お助け!!」
「心配無い、心配無い・・・
ちょっと数が目減りしてもその分強くなれば良いんだ・・・
安心しろ、お前達の代わりなんて幾らでも居るんだから・・・」
「うごごごご!!」
次々と自身の血を部下に飲ませ続けるマグス。
ここに最強の盗賊集団が誕生するのだった。
しかしその犠牲は大きく数を五分の一に減らす事になったのだった。
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