第100話【流浪の銃士は対面する】

城の中に通され謁見の間に通されるヴァーグナー、そこには・・・


「『士』総出でお出迎えですか

これはこれは・・・私如きには勿体無い歓迎ですな」


待ち構える『士』11人全員の姿が有った、しかし肝心の首領の姿が無かった。


「それでレーヴァーキューン殿は何方に?」

「父に対して随分他人行儀だな、ヴァーグナー」


レーヴァーキューンの声に振り返るヴァーグナー。


「私は勘当されたと思って・・・いる・・・の・・ですが」


その姿に絶句した。


「何方様?」

「何を呆けた事を言っている私だ、レーヴァーキューンだ」

「・・・・・」


自分が知る父の姿よりも軽く30歳は若く見える。

恐らく噂に聞くレーヴァーキューンの全盛期とやらなのだろうか。


「流石の若様も驚いた様ですね」


ヤギュウが悪戯っぽく話す。


「・・・それがファウストの死体の力とやらですか」

「その通りだ!!老いさらばえる一方だったこの体が若返るなんて・・・

これ以上無い喜びだ!!」

「・・・・・」


ヴァーグナーは今まで父親がここまで喜んでいる所を

いやそもそも感情が動いた所を見た事が無かった。

自分を勘当した時ですら眉一つ動かさなかったのに。


「・・・・・まさかその若さを保つ為に王国に反旗を翻したのですか?」

「悪いか?」

「・・・・・正気を疑いますね、父上、じゃなかったレーヴァーキューン殿」

「父上でも構わんぞ?今はどんな事でも許せそうだ」

「では殺されても?」

「・・・・・武器も無しに如何やって殺すと言うんだ?」

「・・・・・」


ヴァーグナーはレーヴァーキューンを見る、呪殺の為に見る必要があるのだから必死に見ている。

だがしかし・・・


「お?・・・おおぉ?これは呪いの類か?」

「その通り・・・」

「だが私には通じないなぁ!!」


ヴァーグナーを蹴り飛ばすレーヴァーキューン。


「くっ!!」

「勇者の死体が私に力を与えてくれている・・・呪いは私には通用しない」

「ならば!!」


ヴァーグナーは無精髭の男を見る、『士』の中でも最強の男ミヤモト


「ぐ、ぐお!?」


ミヤモトが苦しみ始める、それと同時にヴァーグナーは自身の体が大量の刃に切り刻まれるのを感じた。





「はっ!!」


そこでヴァーグナーはDummyの体から元の体に戻った。


「如何した!?」

「Dummyの体が殺された・・・呪殺は失敗だ、レーヴァーキューンの体には呪いは通じない!!」

「何だと!?」

「だがミヤモトとやらには呪いは効いている・・・殺すまで暫く待て」


メフィストフェレスの言葉を聞く一同。

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