第95話【流浪の銃士は語り続ける】
「六の剣『毒剣のヤギュウ』
眼帯をした美少年ですが猛毒を使い、その毒の影響で白髪になっています
猛毒の威力は底知れず、毒の原液を海に一滴を垂らしただけで暫くは漁に出れない程です
十本の剣を使います」
「・・・どうやって使うんだ?奇術師でもそんな事しないぞ?」
シュルトゥが呆れながら尋ねる。
「十本の剣を紐で括りつけて使っています」
「意味が有るのか、それ?」
「ええ、猛毒の剣ですので一撃当たればそれで良いんです
剣の投擲も行うでしょう、また近寄っても剣術の腕は凄まじく
遠近ともに秀でています
続いて五の剣『茨のヒジカタ』
『士』の中では最年少で奇抜な服装をしているので直ぐに分かると思います
剣術の腕前は天性の才能が有り、ほぼ反射で剣を振い間合いに入られると即座に斬られます」
「私も似た様な事を出来るけど・・・」
ノートゥがおずおずと口に出す。
「えぇ、実力は私の見立てではノートゥとほぼ同格でしょう」
周囲が騒めく、如何に強くても勇者の仲間と同等と言うのはあり得ないと思っていたのだろう。
「あくまで私が知っているヒジカタはノートゥと同等でした
今のヒジカタが強くなっているとすれば・・・」
「私よりも強くなっているかも・・・って事?」
「えぇ、ですが実戦ならば確実にノートゥの方が上です、勝ちは充分にあります」
「そうだよね・・・良かった・・・」
「えぇと次に四の剣の『老境のサイトウ』
老人ですが衰えておらずまさに達人です、稽古でしか立ち会えませんでしたが
立ち合いで彼に勝てるヴィジョンが見えません、出来る限り遠距離で戦うべきでしょう
そして三の剣『大剣のコンドウ』
大きな剣を持った男です、大きな剣を自在に操り、まさに荒ぶる鬼神と言う姿でしょうか」
「陳腐な表現だな」
スクラッチが茶々を入れる。
「そう形容しなければならないのですからそうなのですよ
そして二の剣『麗剣ササキ』
美しい姿をした青年で長い剣を使います、その剣からカマイタチの様な刃を飛ばし
相手を切り飛ばします、その威力は海を割る程です」
「信じられないな・・・」
「『士』最強の一の剣『天剣ミヤモト』
無精髭の気安い男ですが断言します、彼はスクラッチ殿と同等以上の使い手です」
「燃えて来るねぇ」
スクラッチが笑いながら軽口を叩く。
「これで警戒する相手は異常か?」
「いえ忘れてはならない首領レーヴァーキューンが残っています」
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