第91話【流浪の銃士は船に揺られる】
ジェラールを撃った翌日、ヴァーグナーは船に乗っていた。
王に反旗を翻した者達を鎮圧すると言う名目で
ファウストの死体を奪い取る為の軍に参加する為である。
軍に参加したのは王国陸軍と王国騎士団
パン率いる近衛一隊、宮廷魔導士達、そして罪人達を編成した罪人部隊
騎士団には騎士団長と副団長も参加しており気合いは充分。
ヴァーグナー、シュルトゥ、ノートゥ、スクラッチ
メフィストフェレスも参加している。
混成軍は複数の最新鋭の軍船に乗船し目的地に進んでいる。
大砲も搭載し、魔王軍との戦いが再発したのではないかと言う趣である。
そして旗艦には中心人物が乗り込み作戦の打ち合わせをしている。
「シュルトゥとノートゥも来たのか」
スクラッチが軽口を叩く。
「ふん、義勇軍の名誉回復の為に仕方なく来ただけだよ」
「私は騎士だし・・・剣を振るのが仕事だし仕方ないよね・・・」
「ヴァーグナーっぽい事を言うじゃないかノートゥ」
「私っぽいって何だスクラッチ」
「悪い意味じゃないさ」
「お前は意味無く悪口を言う奴じゃないから知っている」
「それは如何も」
「背中に気を付けろよスクラッチ」
シュルトゥが憎々し気にスクラッチに言う。
「悪いがシュルトゥ、仲間割れをしている余裕は今回は無い」
「何言ってるんだヴァーグナー、私はコイツを仲間と思った事は無いぞ」
「奇遇だな、俺もだ」
「言い方を変えよう、遊んでいる場合じゃないんだよ」
「何?」
「これから行く場所、何処だか分かっているのか?」
「えー皆さん、少し此方に注目して下さい」
ヴァーグナー達の会話を遮り優男が注目を求める。
彼は陸軍軍師ウェブスター、陸軍の実質的な指揮官である。
「これから向かう場所と敵勢力について
おさらいをしたいと思いますが宜しいですか?」
「よろしくお願いします、分かっていない奴が居るので」
「何だと?」
「分かりました、これから我々が向かう場所は大海城です
皆さんも名前は聞いた事が有ると思います」
「何処だよ、そこは」
シュルトゥは疑問を口にする、一斉にシュルトゥに驚愕の目線が送られる。
「シュルトゥ、幾らお前でも無学が過ぎるんじゃないのか?」
「何だとスクラッチ」
「・・・皆様も名前だけしか御存じないと思いますが
一応念の為詳細な情報を御話致します」
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