第83話【処刑場にて】
「むしろぼくはね、ゆうしゃがしんだことがざんねんでならない」
「何・・・?」
「まおうがしんだことはそれはそれでざんねんだ
だがぼくはざんねんだからとすべてをなげだすせいかくじゃないんだ
ゆうしゃがげじゅつをつかった、それはとてもこのましいじょうたいだといえる」
「好ましい・・・?」
「うん、とてもいいけいこうだった
それなのにおうさまがゆうしゃをころしちゃったんだ
まったくもっていまいましいそうていがいだったよ」
「話が見えて来ないわね・・・結局何なの?
貴方は魔王の手下でしょ?それなのにファウスト、勇者が死んだ事を惜しむ」
「ひとのしをいたむのはふつうじゃないの?」
「貴方は普通じゃない」
「こころないことばだ、きずつくよ」
「勝手に傷付いてなさい」
「ひどいなぁ・・・まぁいいや
ぼくはねゆうしゃをたすけようかなぁっておもったんだ
でもゆうしゃがなんだかいきることをやめたかんじがしたからなにもしなかった」
「・・・・・」
唇を噛むグレートヒェン、あの時自分が助けに行っていれば
こんな混迷した状況になっていないのではないかと思った。
「おうさまのごうもふかそうだしね、そっちもたのしみだけども
とりあえずゆうしゃがころされるのをながめていたんだ
そしたらゆうしゃがばくはつしてさぁ・・・おどろいたなぁ」
「まさかアレはお前の仕業」
「じゃないよ、ほんとうにゆうしゃがくびをとばされたら
したいがばくはつしたんだ」
「・・・何で爆発したんだろう」
「ごうがふかかったのかなぁ・・・そのあとのことはせつめいがつくけど」
「その後?」
「ゆうしゃのしたいがばらばらになってそのしたいがつよいぱわーをもつこと」
「・・・・・どういう事?」
「げじゅつにはしぞうぼうしのために
たしゃにきょうせいてきにけいしょうさせるとくせいがそなわっている
そのげじゅつのとくせいでゆうしゃのしたいをからだにいれると
つよいちからがえられるんだよ」
「・・・なるほど・・・そういう事だったの」
彼女は薄々感じていた勇者ファウストの秘密を知った。
「ぼくはゆうしゃのしたいをいくつかてにいれた
そしていろいろじっけんすることにしたんだ、このおおざるもじっけんのひとつ
にんげんいがいにもゆうしゃのしたいがつかえるかためしたかったんだ」
「なるほどね・・・それで貴方の目的は何か言って貰おうか?」
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