第28話【聖女の問い】

『反応が消えた』

「嘘・・・何処で!?」

『そこまでナビゲートする』


死体感知が唐突に使えなくなったが

死体の反応が有った場所まで移動するグレートヒェン


「・・・教会?」

『恐らくこの中だ』


廃教会まで辿り着いたグレートヒェン

教会の扉を剣で賽の目斬りにして吹き飛ばし中に入る


「やぁグレートヒェン」

「ゾルゲ?・・・何故ここに?」

「君が来る前に例の子供と話を付けた」


そう言ってファウストの右足を見せるゾルゲ


「・・・そう、ありがとう」

「どういたしまして、さてとグレートヒェン、聞きたいんだけどさ

これは一体何?」

「・・・・・魔」

「魔道具云々とか言う話は聞きたくない、もっと詳しく言おうか?

何故何処の誰が作ったかもしれない謎の魔道具が

ファウストの右足の形をしているのかを聞きたいんだが?」

「・・・・・何故ファウストの右足の形をしていると?」

「敵の攻撃で負傷した彼の右足を治癒する時に実際に見たから、だね

さて、私の質問に答えて貰おうか?」

「・・・・・・・・・・」

「なるほど、答えられないか

じゃあ王族の誰に回収を命じられたか教えて貰えるかな?」

「・・・・・・・・・・」

「だんまりか、ならば考えが有る」


ゾルゲの権杖に光が集まり始める


「Holly…」

「動くな」

「!!」


グレートヒェンがファウストの死体の力を使い高速移動し

ゾルゲに剣を突き立てられるまで距離を詰めた


「・・・ここには君と私以外には誰も居ない

ストリートチルドレン達にも席を外して貰った、私は秘密を口外しない

ならば秘密を語っても問題は無いんじゃないかな?」

「・・・・・」

「君と戦うのは御免被りたいんだ」

「・・・・・」

「・・・私達は仲間でしょう、王族への忠誠は分かる、だけど」

「忠誠なんてもう捨てた!!」

「!?」


目を見開いて驚くゾルゲ


「貴女・・・本当にグレートヒェン?」

「あの頃の国家に忠実な愚か者のグレートヒェンはとうに死んだ!!

ゾルゲ、君には色々嘘を吐いた事を詫びよう

だがしかし、それを渡さないと言うのならば私は君を殺す」

「・・・・・王族の指示じゃなかったの?」

「あれも嘘だ」

「・・・王族を口実にするなんて・・・そこまで堕ちたの?」

「自分達を救った勇者を、私の愛した男を殺す様な連中等如何でも良い!!」

「・・・・・一つだけ教えて頂戴、貴女はこの足を使って何をするつもりなの?

もし国を乱すと言うのならば私は貴女と戦わなければならない」

「何故だ!?この国に価値が有ると!?ファウストが居ない世界に価値が有ると!?」

「有るよ!!」

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