第2章 三つ子の奴隷
014 三つ子の奴隷Ⅰ
奴隷のオークションショーが始まってから三十分以上経過した。
さすがにいろんな奴隷を見た俺はさすがに飽きてきており、もうどこかへ行こうと思っていた頃だった。
このオークションも大詰め、残りは三人だというのだ。
ここまで来たというのなら最後まで見ていくしかなくなってしまった。
「さて、ご覧になられるのは一気に三人です。それも三つ子。さあ、最後のショーです。皆さん、入札の準備は大丈夫ですか? さあ、行きますよ。今日、最後のショーです! どうぞ、ごゆっくりご覧ください!」
と、再び幕が上がると三人の奴隷がステージへと上がった。
三人とも赤髪で髪型は右からショートカット、ロングヘア、ロングヘアに黒色のヘアピンを付けた俺と同じくらいの少女たちだった。
「彼女らは三人揃って三つ子であります。名前は右から一花、二葉、三久です。さあ、こんな珍しい商品なんてありえませんよ。どうします? さあ、入札を三十秒後に始めます。金額は三十万Gからです!」
要するに一人当たり十万か……人も安く買われたものだな。
だが、それでもなんだか違和感がある。あの怯えよう、どう見ても普通の奴隷たちとは少し違うように見える。ちょっと待てよ? よーく見るとアジア系の顔に似ているんだよな。それに名前がどう見ても日本人の名前だ。もしかして、こいつら……。いや、まさかな……。
だが、三人とも怯えているのは確かだ。
「さて、入札を開始します。挙手でお願いします!」
「はい!」
「はい、そこの体のいいお兄さん!」
「八十万G!」
いきなり、五十万アップかよ!
「はい!」
「はい、そこの若々しいお兄さん」
「こんなのくだらない。一気に額を上げさせてもらうよ! 一億Gだ!」
不気味な笑みを浮かべる二十代前半の男が挙手しながら万ではなく億と跳ね上げ、これ以上、誰もが逆らうことのできない金額に設定した。
「え、あ、ああ……。な、なんと一億です。他に、他には誰もいませんか?」
奴隷商人が戸惑いながら誰かいないか探す。
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