第11話「創作の魔女」

「『魔女LINK』つくったからさ……」久利須くりすってこんなだっけ? まるで男の子のように、はしゃいでこう言った。


「待て待て、お前は一体何の話をしている?」尾瀬子おせこが疑うのもわかる。久利須くりすは、我々が既に知っている事項の様に話をしている。


「怪しい……」私も尾瀬子おせこに同意した。


「あちゃ。順を追って話すね。さっき賢者と接触したの」


 尾瀬子おせこに殺気が走る。(なんて話をするのよもー)


「賢者は私の『魔女LINK』に興味をもって……」久利須くりすは冷や汗を流し始めていた。


 尾瀬子おせこは、賢者の話が出ると人が変わる。以前、賢者の話をしていて、例の異名のひとつが、生まれる事となった。何の話をした時に、逆ギレしたんだっけ? 確か「ほんとは賢者は、尾瀬子おせこに気があるんじゃない?」って誰か魔女がからかったんだっけ?


「お、尾瀬子おせこ──」私は彼女をなだめにかかる。


「あれれ──。尾瀬子おせこって、ほんとは賢者に気があるんじゃないの? そんなに怒っちゃって……」(おまえか──!!)


 この後『皆殺しの魔女』の異名が発生した?


「ななな、ナニ言ってんのよ──けっ賢者なんか、絶対なんとも想ってないんだかんね。やや、ナニよ! も──ああ暑いな──蒸し風呂よっ!」


 意外、尾瀬子おせこは『ツンデレ魔女』になった……。


 尾瀬子おせこの意外な一面を見た後なので──久利須くりすが男の子のように、はしゃぐなんて、カワイイもんだよ。「この件は3人のヒミツだよ!!」と尾瀬子おせこに口止めされた。


「オーオーケー」と久利須くりすは、はしゃいで言った。

「わかったわ」なんかもういいや。



『魔女LINK』の話へ戻ろう。



 久利須くりすは言った。スマホアプリの『魔女LINK』を作ったので、賢者に『人狼ゲーム』を誘われた──という。


 尾瀬子おせこは、話の中で『賢者を封印』できる。という所に食いついた。


「アイツ、私を封印して動けなくしておいて……ねっとりセクハラしたのよ!!」


 1番、傷ついたのは、動けない私を『抱きまくら』にしたこと……。尾瀬子おせこの『抱きまくら』良いかも……と考えてしまった。イケナイ。


「アイツも封印して。私の『抱きまくら』にしてやるから……!!」ソレはダメかも……。


 さて魔女も集まったので、あの言葉を尾瀬子おせこに言ってもらおう。


「あれれ。魔女が13人も居る? 一体どうしてだろう?」



 人狼ゲームの始まりだ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る