魔女と賢者の人狼ゲーム

第6話「予言者」

黄緑「双子が消えた……」『風の魔女』魔利有（まりゅう）が少し青ざめた顔でそう言った。

橙「私たちのチームに賢者は居なかったと言うことだろう……」火室炉（ひむろ）が良いように話を持っていこうとしている。

黒「賢者も双子はキライだったってことだろう？　ゲームを台無しにしかねないし……」と杏子（あんこ）。

空「私の予言を聞きなさい。賢者は尾瀬子（おせこ）よ！！」

青「まだ続けるのか？　前回は私が封印されたせいで負けてるんだよ！！　な？　フーリン」

紫「そうね。賢者も尾瀬子（おせこ）が封印されることを良しとしないわ」

緑「ゲームが面白くなくなるからね」魔理恵（まりえ）も賛同する。

黄「それにしてもすごいわね。この『魔女LINK』自分で作ったと解ってはいても、魔女を封印までしちゃうなんて、なんてすごいアプリっ！！」

青「ふつう序盤で、預言者が消えるんだがな？　役立たずってことか？」

白「いい方法があるわ。『預言者カーラー』に賢者の協力者を占って貰うってのはどう？」

左英（さえ）の発言は 『氷の魔女』らしく、ゾクリとした。賢者の協力者とは、たぶん彼女だ。

空「いいわ。賢者の協力者を占うわ」

　カーラーは、５０本の筮竹で、易占いを始めた。カーラーは占星術やタロットなど各種占いを扱う。よりによって時間のかかる占いを選んだ。１１人の魔女を筮竹で、ひとりひとり占いだしたのだ。

空「『輪廻の魔女』アースに『天火同人』が出たわ。賢者の協力者は、アースね」

青「待て、私の時はそんなに時間かけて占っていなかったよな？」

空「あれは、あなたがキライだから。言ってみただけよ。ほんとに占ったのは、コレが初めてよ」とのたまった。なんてことだ……。

青「嘘を混ぜるな！！　こういう占い師はさっさと封印してもらいたいのだが……」

灰「わたし封印されるの？」『輪廻の魔女』アースがそう私に聞いてきた。

青「お前を封印されたら、この人狼ゲームが一回限りの勝負になってしまう」

　輪廻で戻ってもう一回ができない。

空「アースを次の生贄に──！！」

橙「アースが次の生贄だ──！！」

白「アースを次の生贄に──！！」

黄緑「アースを次の生贄に──！！」

柿「あうあう。アースさんを──」

黒「まずいぞ『輪廻』が封印される！！」

アースに投票する者が、少なくとも４人いる。

５人以上誰かを生贄にしなければ、アースが消える。

黄「さて投票するわよ」と久利須（くりす）が言った。

アースに５標。

カーラに６標。

空「なんで私が──！！」

　空色が点滅しながら消えていった。

青「悪は滅びた……」

紫「そういう事を言っているから、カーラに嫌われるんだ！」