最弱勇者語録「小姑キャラは勇者パーティーでの正妻戦争で脱落必至」

 くどくどと功徳を口説く坊主の速度で口と足を動かすデネブが、シャフ度の角度で俺を見ている。いつの間にか口やかましい委員長キャラが定着してやがる。

 出会った当初はもっと初々しくてかわいげがあって、怒ると怖い面もちょっとだけある、俺的に理想的ヒロインキャラだったのに、最近じゃ厳しさ一辺倒だ。

 おまけにまだパンツも見えていないとくる。これじゃあ顔がかわいくて強いだけだ。なんのためにいるのかわからない。ソアラのように、さらにチラして包容力があってエロエロでという追加要素がないと、これから増えていく勇者ハーレムパーティー(予定)のなかで、このアルタイル様の寵愛を受けるのは難しくなるという自覚を持「勇者様、聞いておられるのですかっ」「はっ、はい!」


 荒らぐデネブにびしりと姿勢を正し返事する。そこそこおこの顔つきでにらむ従者は「では、今、申しあげたことをおっしゃってみてください」と問う。


「え、えっと、小うるさいばかりだとパーティー内の正妻戦争で脱落必至なので……」

「はい?」

「あー、ええっと、少しはしおらしさとか色気とかパンツとかを見せたほうがデネブの立場的に――」

「はあっ!?」


 バカデカい声でぶった切られて、ひいいっ、と俺は身をかばう。ぼけっとした頭で適当なことを言ってしまった。マジョ子はおこから激おこだ。

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