ありえない強敵に次々襲われ俺の戦いはこれからだ -完- 応援ありがとうございました次回作にご期待ください!(嘘)
ボコオッ、と土のなかからそいつの上半身が現れた。
「うわああああっ!」
土まみれのぼさぼさの髪と一部骨の見えてる腐った顔、ぼろ切れのような服。
【ゾンビ/レベル:十六】
ちょっと待てちょっと待てちょっと待てっ。このタイミングで出てくるか? ドラゴンこっち来てんだよっ。てかこいつも無駄にレベル高えな。ゴブリンの倍って。
俺はげしげしとゾンビの腕を蹴ったが、奴は全然、手を離さない。結構な腐敗臭なのに頑丈すぎだろ。死人の握力じゃねえぞ。いででででっ。そこ犬に噛まれたとこだってばっ。
って、やべっ。ゾンビが足に噛みつこうとした。俺は考えるより先に、思いきり蹴り顔面を飛ばした。奴が大きくのけぞった。手が離れる。その隙に俺は急いでゾンビとまあいをとった。
あっぶねー。噛まれてたら絶対、ウイルス的なやつに感染してゾンビ化してたぞ。
そいつは冬眠から覚めたカエルのように、のろのろと土から出てくる。不幸中の幸いというか、あいつも移動速度の低いモンスターのようだ。逃げるのはわけな――
ボゴッ。ボゴッ。ボゴッ。
土を掘り起こす音がそこらじゅうで聞こえた。……えーと、嘘、だよな?
前後左右、全方向で土のなかから這い出てくる死者たち。一体二体の騒ぎじゃなかった。雨後の竹の子ライクに次々と湧いて出くる。
あっという間に、俺を取り囲むものが、森の木々に加えて、何十体としれないゾンビも仲間入りした。
おいおい、ここ墓地じゃねえぞ。なんで森でこんなに死体が埋まってんだよ。
てか、くっさ。死臭がハンパないんですけど。ゲームにこういうリアルさ求めてないから。
全方位からよたよたと寄ってくるゾンビの群れ。遠くには緑の巨体を揺らすドラゴン。孤立無援。うん、今度こそ詰んだ。-完-
悪い夢ならもうここで覚めてくれ。夢オチ大いに結構、ウェルカム。
俺は覚悟を決めて目を閉じた。
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