氷鉱夫として

ユキの表情は少し落ち込んでいるように見えた。ブリザードが口を開く。


「ユキは外に出たことないんや」


「私は………この氷の街を立て直すのに忙しいのよ」


ユキは少し笑って当たりを見渡す。家の壁に氷が張り付いている。まるで氷出てきている建物のようだ、実際氷の建物もあるとのことだが、アイスポイントの中は氷を張るという影響がより強く出ているらしい。


「ここは他の人もいるし資源も守護者たちのおかげで困らないけど………住宅や街を氷から掘り出したいの」



 ユキはポツリと呟く。たしかに氷の壁を削って資源を出すのは技術はいるものの場合により多少大雑把でも平気だ。しかし住宅や街となるとより一層繊細な技術を要する。

 それを聞いて俺とミルは同じタイミングでツルハシを構えた。互いに驚いたがすぐに互いの考えを見抜いた。


「キューブのお礼ってのもあるけど!俺たちが2、3軒の建物を氷から掘り出す!!」


「ま、マイン?アンタら国に戻らないでいいんか?」


「人のために動く………氷鉱夫はそういうものです。全部は国に戻らないといけないので無理ですが………重要施設いくつかなら」


  俺はミルとツルハシをコツンと合わせて氷はる街の方へと向かった。ユキとブリザードによると学校などアイスポイントには重要施設がいくつか建っていて掘り出せれば、住めるところも活動できるところも増えるという。


「アイスブレイクしてもいいか?ブリザード、ユキ!」


ユキとブリザードは嬉しそうに笑った。この笑顔が国に戻って増やせればいい、そう考えながら俺はミルとブリザード、ユキと共に施設をいくつか採掘する作業を始めた。


 コンクリートを傷つけず、ガラスを割らずに張った氷を削る。冷たい気候ではあるが汗が滴る。だがだんだんと建物の形が見えてくる。ユキ最初のうちよりも笑顔を見せてくれるようになった。ブリザードもそれをみて嬉しそうに作業する俺の隣にやってきた。


「マイン………ありがとな」


「こっちのセリフだよブリザード………俺もミルもブリザードドライも……ここに来れてよかった」


施設二件を掘り出す事に成功する頃には数週間が経っていた。その頃には守護者もアイスポイントの住民も手伝ってくれるようになっていた。


 二件目が姿を見せた瞬間俺は地べたに体を寝かせた。冷たいし快適とはならない。しかしかなりの達成感だ。

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