迎撃
「よーし!気合入れてくぞ!」
「よっしゃー!」
俺の呼びかけに答えたクリヤは夜なのですこし声を落としていた。
俺、クリヤ、グレンさんはテントの位置から左に200メートルの位置、商店街からすこし離れた場所に拠点を構えた。
二手に分かれて内部に入ってきた相手と戦闘をするのだが組分けは射程攻撃の有無で分かれた。
「ほぼ住宅街だねー」
「避難は済んでるけど傷つけるわけにはいかないな!」
氷鉱夫以外の人々はほとんどツララ塔の近くのテントに避難しているが彼らの住宅は避難できない。だから俺たちが守らなくてはいけない。
「よし、朝まで2人とも休んでていいぞ、マイン、クリヤ。明日の朝からは多分戦線の撃ち漏らしがどうしてもきてしまうがな」
俺とクリヤは投げて寄越されたシルバーシートを受け取ると、プレハブの住宅の壁に背中を任せて休み始めた。
「うう…お腹すいた…」
「ん?栄養バー食べなかったのか?」
クリヤは腰につけたポーチが空っぽなのをこちらに見せてきた。
「いっぱい持ってるからやるぜ、ほい!」
バーをクリヤに渡すと彼女は目をキラキラさせて食べ始める。
「うまい!ありがとう、マイン!」
「平気さ、それより明日も頑張ろうぜ!」
「うん!」
翌朝グレンさんに俺は起こされて目を覚ました。もう相手がきたのかと思ったがまだらしい。
「警戒のためだ、もう起きろ」
「うん…おはようグレンさん」
クリヤはもうツルハシを抜いてプレハブの屋根の上で双眼鏡を使っていた。
「クリヤ早いな…」
「マインのおかげで元気いっぱいだからねー」
クリヤは遠い戦線を観察しながら応える。俺も顔を拭いて準備をしてからツルハシを抜く。するとグレンさんの通信機がなった。
「すみません!ツララザード一体!戦線突破されました!」
「わかった、俺たちが相手する」
グレンさんは通信機を切るとクリヤにすぐさまツララザードの位置を確認させた。
「住宅街をスルスル抜けてこっちに向かってます。ツドラルさんたちの方じゃないですね」
「ツララザード…確か鱗全部飛ばせるんだよな…」
ツララザードの情報を確認しながら俺たちはツララザードの迎撃体勢に入る。迎撃場所は住宅被害の少ない広場となった。
すこし前進するとちょうど広場で、ツララザードと出会した。見たものを痺れさせそうな鋭い眼にスラッとしたフォルムだ。
「ちなみにツララザードは結構やばい部類だ。気合入れてくぜマイン、クリヤ!」
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