騎士

幼いころにはそれなりに泣きわめき

差し伸べる手を求めたんだろうけども

物心ものごころついてからは

誰かの助けが欲しいなどと思ったことがない


助けなんて来ないことがわかっているから


だから、誰かが助けを求めて手を伸ばしていたら

私はその手を握りたい

その誰かが、誰にも何も期待しなくなる前に


見返りは何もいらない


ただ人の温かさを信じて人生を歩いていってくれれば

他の誰かの苦境くきょうの訴えに耳を傾けるようになってくれれば


そして、私が愚かな自尊心で声をあげられないまま

とても寂しがっていたことに気が付いてくれれば


私がこの世を去った後でもいいから

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