シュレーディンガーのパンツ。

作者 菖蒲あやめ

81

28人が評価しました

★で称える

レビューを書く

★★★ Excellent!!!

流れるような文章が美しいのです。
テーマはパンツなんですけど、読みながら感じる戸惑いも作者様に押しきられてしまうのです。

見なければわからないことがあります。
この小説を読んでみなければ、主人公のパンツが何色なのか、私たちは想像することしかできないのです。

まさしくシュレーディンガーのパンツでした。

★★★ Excellent!!!

君は「シュレーディンガーの猫」と言う思考実験を知っているかい?

量子力学の分野における「曖昧さ」を肯定する物理学者に、ちょっと待ってくれとシュレーディンガーが例え話を出した。
大雑把に言うと箱の中に猫を入れて、50%の確率で発生する毒ガスを入れたら、蓋を開けた時にどうなるのか……と言うものさ。
彼は、生きている猫と死んでいる猫が1:1の状態で出てくるわけがないと言う事を言いたかったのだがね。

果たしてこの「シュレーディンガーのパンツ。」に出てくるせんぱいのスカートの中には何があるのだろうね。
観測する者が居なければ「曖昧」なまま。
君はそれを観測する機会を得たわけだけれども、どうだろうか?

え? タイトル的にエロイんじゃないか? って?
さあ。
そんなものは観測して見なければ分からないし、それはレビュアーたる僕の役目ではないのだよ。
エロイかも知れないしエロくないかも知れない。
SFかも知れないしSFじゃないかも知れない。

それにこのレビュータイトルを思い返して欲しい。
果たしてこのレビューは存在しているのだろうか。
確かに今君は見ているけれど、クリックして見たらその先は無いかもしれないし、やっぱりあるかも知れない。
そもそも「シュレーディンガーのパンツ。」と言う作品が存在しているかどうかすら怪しいんじゃあないかな?

気になるかい?
ならばほんの数分、観測者になればいい。
君にはその機会が到来したのだから。

★★★ Excellent!!!

 せんぱいの履いているパンツの柄、想像してごらん?
 色は? 白? ピンク? 黒? 赤?
 素材は? 木綿? シルク? 
 形は? オーソドックス? Tバック? 紐?
 もしくは……そこに薄い生地なんてないのかも。

 と、何度も何度も繰り返し繰り返し、読んで想像して、原点に返る。
 見てみたい?
 見れたらね?

★★★ Excellent!!!

パンツは深い。
ひらひらのスカートの中に秘められたパンツ。
色、柄、形……。
見えないからこそ、そこに想像力が働く。
見えないからこそ、見てみたい。

その「気になるけど見ることができないパンツ」をテーマに、量子学の思考実験「シュレーディンガーの猫」が絶妙に合わさり、ラストにつながる。

深いパンツのお話。

見てみたい?
それは、読んで確かめてみてください。