第77話、【PV1000記念】Web小説の『神様』は、すべてザコキャラ⁉(前編)

 ──現代日本の推定三千万人の、異世界転生希望の、ヒキオタニートのお兄ちゃん&お姉ちゃん、こんにちは☆


 実は『ツンデレ気味の妹(しかも幼女)』という、あざといキャラ付けでお馴染みの、『転生法』だよ♡



 さて、本作は現在、『「真に理想的な異世界転生」を実現するには、何よりも肝心要な『異世界系のWeb作家』はどうあるべきか?』について、その時点その時点において、ネット上で話題になっている、『異世界転生(や転移)』系の話題があったら、それをテーマとして踏まえて語っていくって方針なんだけど、今回から数回にわたって、これまで以上の【特別編】と呼び得るエピソードを、二、三作続けて連載しようと思うの。




 それというのも、何と本作『転生法』が、お陰様をもちまして連載開始一年弱にして、光栄にもPV1000アクセスを達成したのです!




 ……いやあ、こんなひねくれた作者によるひねくれた作品に、1000回以上もアクセスしてくださった読者の皆様には、頭が下がる思いでいっぱいでございます。


 そのような過分なるご支持に対する、ささやかなる恩返しとして、今回より、いつも以上に『スペシャルな題材モチーフ』をテーマに、いつも以上に熱を込めて、語っていきたいかと存じます♡



 と言うことで、第一回目としては、スペシャル中のスペシャルである、『異世界転生系作品における神様とは、どのようなものであるべきなのか?』について、これにまでに無い斬新な切り口でもって述べていくから、よろしくね♡



○もはや異世界系作品では、『常連』扱いの神様たち。しかも何と、アンチどもの『叩き棒』にされていたりして⁉


 ──そうなのよ、さっき『スペシャル中のスペシャル』なんて言ったけど、今や異世界系Web小説にとって『神様』の類いは、すでに完全に『常連』キャラと化しているの。


 だって、特に『テンプレ』系の作品では、『トラック事故』等で一度死んだ主人公を、自分が管理する世界の世直し等のために、異世界転生をさせてくれるという、作品導入部における最重要のキャラクターこそが、『女神様』であるといったふうに相場が決まっているしね。


 よって本来なら、人の生死を意のままにできて、世界そのものを支配しているなんていう、掛け値無しの『超常の存在』であり『尊敬の対象』として描かれるべきなんだけど、やはりそこはWeb小説もライトノベルの一種であるからして、女神様と言ってもいかにも人間くさく、下手したらお約束のように美人や美少女として描くことによって、主人公のハーレムメンバーに参入させたり、更には最近流行の『駄女神』として、ギャグ要員に落とし込むといった作品が、多々見受けられる有り様なの。


 この『人間くさい』でご理解いただけるように、Web小説においては『神様』と言っても、いわゆる『ギリシャ神話』や『北欧神話』系の、人間以上に欲望にまみれた方々ばかりで、作内でとても神様とは思えない俗っぽい姿を見せつけたり、チート能力を有する主人公に単に力負けするどころか、むしろ主人公の引き立てサンドバッグ役にされてしまうといった体たらくなの。



 ──それで、問題となるのが、毎度お馴染みの、なぜか作品の『アニメ化』と同時に湧いて出てくる『アンチども』なわけで、彼らに言わせると、「いくらWeb小説やライトノベルであろうと、人間である主人公ごときが、仮にも神様をサンドバッグにしてしまうとは、けしからん!」らしいのよ。



 ……ほんと、アンチの連中は、少しは考えて物を言ってほしいものね。


 もちろん、Web作家の描写の仕方自体が、いかにも神様の尊厳を傷つけることを目的にするものなら、批判されてしかるべきでしょうけど、しかしここで気をつけなければならないのは、たとえ同じ『神様』と言っても、『愚弄してはいけない神様』と、『愚弄しても構わない神様』の、二通りがあると言うことなの。


 例えば、実際に人々の信仰を集めている神様や、現在の王侯貴族等実在の人たちの御先祖様に当たる(伝説上の)神様(と見なされる存在)を、勝手に自分の作品に登場させて、主人公をageるための当て馬にして痛めつけたりしたら、抗議を受けるどころか、不敬罪でしょっ引かれたり、粛正されたり、テロの標的になったりしても、文句は言えないでしょうね。


 ただし、さっきも言ったように、Web小説に登場してくる神様なんて、ほとんどはその作者のオリジナルの神様なのであって、現実の人々から信仰を集めたり、実在の王侯貴族等の御先祖様であったりするなんてことがあるはずが無く、間違っても不敬でも不謹慎でも無いはずなの。



 それでもしつこく、「たとえ創作上の神様でも、神様に違いないだろうが! それを作品の中で、人間である主人公ごときに痛めつけさせるなんて、むしろいたずらに作者にとって誰よりも大切なはずの主人公に、ヘイトを集めるだけだろうが⁉」などとほざく手合いがいるけど、勘違いも甚だしいと言わざるを得ないわよねえw



・まず第一に、Web小説等に登場する神様は先程も述べたように、ギリシャ神話や北欧神話系の、いわゆる『戯曲型』の神様なのであり、元々存在そのものが『ユーモラス』なのだからして、個々の作品の中で『笑い物』にしようが『痛めつけ』ようが、別に構わないの。


・そして第二に、実はこっちのほうが重要なんだけど、そもそもが、この世に存在する小説や漫画やアニメや映画──更には、絵画や音楽等の伝統芸術すらも含めて、あらゆる創作物中に描かれた神様は、『真の意味では神様では無い』のよ。




 ──なぜなら、「神様というものは、いったんその姿を文字や絵として描かれて、具体的な形を与えられた途端、あくまでも『概念的存在』であるはずの、神様としての『アイデンティティ』を、失ってしまうのだから。




○真の神様とは、あらゆる世界の、『外側』に存在しなければならない。


 本作の作者に言わせれば、『真の神様』というものを具体的に例に挙げるとしたら、その世界を小説等として生み出している、いわゆる『作者』か、その世界を含むすべての世界を夢見ながら眠り続けている、中国で言うところの『(荘子の)胡蝶』や『ホワンロン』等に当たる存在ということらしいの。


 このような、あまりにも突飛な見解に、目が点になってあきれ果ててしまった方も多いかと思うけど、この二つにはある『共通点』が存在しているの。



 ──それこそが、両方共、自分が『神(的な存在)』として司っている世界の『内側』では無く、あくまでも『外側』に存在しているということなのよ。



  ……『小説の作者』とか『夢の主体』とか言うと、いかにもメタ的に聞こえるでしょうが、大事なのは、「世界の内側にいる限り、真の意味では神様になり得ない」、と言うことなの。


 それと言うのも、神様と言うものは、何はさておき、『全知全能』で無ければならず、よってその持てる能力に、何らかの制限がかけられていたりしたら、神様では無くなってしまうの。


 そもそも、現代物理学の根幹をなす量子論等の物理法則に則れば、『全知』と『全能』は矛盾するので、この段階で神様なんて存在し得ないことになるんだけど、あくまでも物理法則の支配を受けるのは、当然のことながら現実世界においてのみであり、『小説の世界』や『夢の世界』では適用されないので、全知でありながら全能でもあり得る神様は、ちゃんと存在し得ることになるの。


 この辺のところを、もっと詳しく説明すると、全知に関しては、現在や過去の知識については、すでにインターネット等によってほぼすべて取得可能と言い得るので、神様としては『未来予知』さえできれば『全知』になり得るんだけど、現実世界の量子論においては、「ミクロレベルにおいては形の無い『波』の状態にある量子は、ほんの一瞬後の形態や位置であろうと予測することができない」という大原則があるので、量子こそが万物の物理量の最小単位で有る限りは、この世のすべての事象について、たった一瞬後についても完璧に正確な予測をすることは、たとえ神様であろうとも、その世界の内側に存在していて、その世界の物理法則に影響を受け続ける限りは、けして予測することができなくなるのよ。


 また、全能と言うことは、どんなことでも自分の思い通りになるということなんだけど、そこが現代日本同様の『完全なる現実世界』で有る限り、当然のごとく物理法則に支配されているからして、たとえ神様であろうと基本的に物理的な改変は一切できないの。







※ごめーん、ちょっと長くなり過ぎたので、続きは(本日中に公開予定の)後編にて、解説させてもらうね♡

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