第186話 パウロ 第二回宣教旅行 3
パウロはアテネを去り、コリントに来ました。コリントはギリシャ本土と南ペロポリス半島を結ぶ
コリントにはイタリアやスペインに行ける港と、エーゲ海やエジプトに行ける二つの港がありました。
コリントはローマの属州で、アテネと同じように皇帝崇拝の神殿や礼拝堂があります。
ギリシャ人、ローマ人、ユダヤ人が住むコリントは多宗教です。アテネをボストンとするなら、コリントはラスベガスのような街です。
簡単に言うと、道徳的に腐敗した街。神殿で売春なんかも行われていました。
こんな所にまで、キリストについて伝道するパウロはやはり強者。しかも、パウロは自分で生計を立てながら宣教旅行をしています。
ぺテロは漁師、ルカは医者です。パウロの職業は……天幕作りです。ルカの方がかなり稼ぎがいいと思いますが、パウロも負けていません。
パウロはキリキア地方のタルソス生まれ。キリキアはキリキウムという布の産地で有名で、幼い頃から手に職をつけるために、天幕作りを教え込まれてきました。
天幕はラクダやヤギの毛、亜麻布、革で細長い布を織り、縫い合わせて作ります。
小刀と突き
同じ職業のユダヤ人、アクラとプリスキラ夫婦の家に厄介になります。言い方。ごめん。
シラスとテモテが到着すると、伝道開始。ユダヤ人の会堂で伝道しまくります。ユダヤ人は新しい教えにご立腹です。パウロに暴言を吐きます。
「あなた方がどうなるとしても、それはあなた方自身の責任です。私は潔白です。これからは異邦人の所に行きます!」
パウロもキレます。キリストの音信を受け入れず、救われないとしても自分の責任ですからね。
パウロは、会堂の隣の家に移ります。テテオ・ユストという敬虔なクリスチャンの家に厄介になり、そこで異邦人に伝道。多くの人がパウロの言葉を信じてバプテスマを受け信者になります。
そんな頃、パウロは幻を見ます。イエスが、
「恐れないで語りなさい。黙っていてはなりません。私はあなたと共におり、誰もあなたを襲って危害を加えたりしません。この町には私の民が大勢います」と話します。
パウロの心に恐れが生じたのを、イエスは見抜いたのでしょう。ユダヤ人の反対の中、パウロはイエスから励まされて大胆に語りました。
一年伝道した頃、ユダヤ人はパウロを襲い、裁きの座の前に引いて行きます!
「この者は法に逆らい、神を崇拝する点で人々を別の宗派に導いている」
違法な改宗活動をしているとパウロは告発されました。パウロはステファノの殉教が頭をよぎったかもしれませんが、イエスの言葉を思い出しました。
ローマの総督代理ガリオは、ユダヤ人の告発に一切関わらず、パウロを有罪にはしませんでした。
イエスの言葉通りです。誰にも危害を加えられず、コリントで一年半伝道出来ました。
そのあと、アクラとプリスキラも同行して、エフェソスに入り、カエサレア経由のエルサレム、そして拠点アンティオキアに戻ります。
パウロの第二回宣教旅行はこうして成功裏に終わりました。お疲れ様。
第三回宣教旅行もがんばれー!
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