エレミヤに恋して
第158話 エレミヤ 預言者に任命される
「私は、あなたを母親の胎内で形作る前から知っており、生まれる前にあなたを神聖な者とした。私はあなたを諸国民に対する預言者とした」
神様がこうエレミヤに語りかけたのは、ユダの王、アモンの子ヨシヤの時代、治世第13年の事です。
それより25年以上前に、神は予知能力を用いて、ベニヤミンの土地アナトテにいたヒルキヤの子供に注目されました。その時の王は、悪名高いマナセ王です。ユダ国民は悪政のため、不幸でした。マナセの息子アモンも民を苦しめ、神の目に悪い事を行い続けていました。
神の予知能力……全知全能であるゆえ、全てにおいて予知することは可能です。ただ、イスラエルの神は、ご自分のご意志に関することだけにこの能力を用います。
アモン王のあと、善を行うヨシヤ王の時代に、神はエレミヤに預言者として任務を与えました。王様と預言者はセットです。エレミヤの受け継ぐ遺伝子がどのような人格になるかもご存知で大変な任務もこなすという見立てです。ヨシヤ王との相性もバッチリでしょう。
この神の任名にエレミヤはどう反応したでしょうか。
「ああ、主権者なる主よ、私はどのように話したらいいのか分かりません!少年にすぎないからです」1:6
少年といっても20代だと思われますが、国の長老達、権威者、また祭司、支配者達に語らなくてはいけないのです。おっさん恐いよね。しかも、預言者ですから、神様の言う通りに話さなければいけません。もしかしたらダメ出しばっかで恨みを買うかもしれません。
下手したら裁きの音信だって伝えます。イザヤがヒゼキヤ王に「あんた死ぬよ!」と言ったみたいにストレートに言う事も考えられます。
「私、失敗しないので!」とドヤ顔出来る相手ばかりじゃありません。デーモンミチコ。
断りたいよね、エレミヤ。モーセだって駄々っ子したら、お兄ちゃんのアロンに代えてくれたもの。大丈夫、駄々こねちゃえ。
「『私は少年にすぎない』と言ってはいけない。私が遣わす所に行き、皆に私が命じる事を全て話なさい!彼らの見た目のために恐れてはいけない!私があなたと共にいて、あなたを救う」
神様最強。断ること無理です。神はエレミヤの口に触れ、こう言われました。
「私は、私の言葉をあなたの口に入れた。今日、私はあなたを諸国民の上に任命した。引き抜き、取り壊し、滅ぼし、打ち壊し、建てて、植えるためだ!」1:9~10
これは、これから起きるであろう、古代エルサレムの滅びについて述べています。神の警告と裁きの音信をエレミヤはふれ告げなくてはなりません。
やるしかないね、エレミヤ。生まれる前からご指名ですもの。がんばれー。上から目線。
神はエレミヤを励ますために、アーモンドの木の幻を見せます。聖書の中でアーモンドは目覚めているという意味があります。
「私は自分の言葉を実行するため、しっかり目覚めている!」との約束です。裁きを伝えてほったらかしにされたら、嘘つき預言者として殺されちゃいますもの。神様よろしく!
そのあと、煮えたぎる鍋の幻を見させます。しかもその鍋の口は北を向かないように傾けられています。この幻の意味はこうです。
「北から災いが降りかかる。この土地に住む全ての人の上に。私は北の諸国の全ての部族を呼び寄せる。王達は来て、それぞれ自分の王座を据える。エルサレムの門の入り口に、またユダの全ての町に向かって」
災難は北の国、バビロンから、バビロンの王から来ます。ユダの民があらゆる悪を行い、イスラエルの神を捨て、偶像崇拝をしたからです。
その同胞ユダ国民に対して、エレミヤはおびえてはいけないのです。預言者って大変です。
ヨナみたいに逃げても無理だし、もうサイコパスなイザヤをお手本に頑張るしかないのです。
「今日、私はあなたを、防備された町、鉄の柱、銅の城壁とし、国全体に立ち向かわせる。すなわち、ユダの王たち、高官たち、祭司たち、民に対して。彼らは必ずあなたと戦うが、あなたに勝つことはない。私があなたと共にいて、あなたを救う!」1:18~19
エレミヤは神に強められました。けど、戦うんですって。怖いよね、エレミヤ。
預言者になっちゃった。がんばれーエレミヤ。
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