異世界を魅了するファンタジスタ 〜『限界突破ステータス』『チートスキル』『大勢の生物(仲間)達』で無双ですが、のんびり生きたいと思います〜
471.フェアリー商会の、新体制、その一(統括本部の強化)。
471.フェアリー商会の、新体制、その一(統括本部の強化)。
三日後の昼、俺は三夜連続で行われたプレオープン第二弾、第三弾、第四弾のことを思い出していた。
第四弾は、今朝終了し解散したばかりだ。
壮絶な三日間だった。
夕方に集合し温泉に入って宴会をやる。
その後就寝し、翌朝温泉に入ってピンポンなどの娯楽をやる。
朝食をとって解散という流れなので、仕事がある人もみんな参加できた。
急な誘いではあったが、快く参加してくれたのだ。
そして声をかけた人たちには、転移の魔法道具のことを解禁して、みんな転移で連れてきたのだ。
転移の経験なんて、みんな初めてなので驚いていたが、妖精族の魔法道具ということで、特にツッコミを入れる人はいなかった。
まず第二弾として行われた『フェアリー商会』幹部メンバーと『ポカポカ養護院』の子供たちを中心とした宴は、すごく盛り上がり、みんな喜んでくれていた。
そして『フェアリー商会』の新体制も発表された。
俺的には現状維持で、ピグシード辺境伯領だけで商会を運営をする方が気が楽なのだが…… 成り行きでヘルシング伯爵領にも進出することになってしまった。
今のところ、全ての事業部門を展開するわけではないが、支店が増えるというのは、それ自体大変なことなのだ。
優秀な大手チェーンでも、無理な多店舗展開で収益構造が悪くなり、会社が傾くなんていう話はよくある話だからね。
ただでさえ事業の種類が多角化してしまっているので、支店展開は本当に最小限にしたいと思っている。
とは言え、ユーフェミア公爵からも、根強くセイバーン公爵領に出店してほしいと言われているので、そこまでは進出せざるを得ない感じだ。
事業によっては、フランチャイズ的な展開も考えなくはないが……結局、品質や酷い商売をしてないかなどを本部として管理しないといけないので、あまり乗り気にはなれない。
どうせなら、しっかり細かいところまで目を配りたいからね。
フランチャイズというのは、基本的に自己資金を最低限にしつつ店舗数を一気に増やしたいときの手法とも言えるから、今の俺がとるべき手法とは思えない。
将来、何か急速に店舗数を増やすというか……全国に広めたいものができれば考えるかもしれないが、今のところはやるつもりはないのだ。
行商団を組織して名産品にしたい商品を売りに行くことにしたから、行商団を通じて他領や他国の商会に商品を卸す程度でいいと思っている。
商品が評判を呼べば、行商団で売りに行かなくても、ピグシード辺境伯領に仕入れに来てくれる商団も増えるだろうし。
まぁ基本的にはサーヤたちに丸投げしているので、今後も任せておけば大丈夫だとは思っている。
『フェアリー商会』の新体制は……
————『フェアリー商会』組織概要————
○会頭——グリム
○顧問——ニア
会頭はもちろん俺なのだが、商会の仕事はあまりやっていない。
名ばかりの会頭だ。
俺の仕事と言えば、思いついたアイデアを出すことくらいだ。
ニアさんも、特には仕事はしていない。
自由すぎる人なので、基本的に思いついたことを無責任に言っているだけだが……時々かなり良いアイデアを出している。
一応、顧問としての役割は果たしているようだ。
ここからが、新体制を含めた組織概要だ。
一、『統括本部』——商会全体の方針の決定や人事、財務など運営全般を統括する部門。
商会の頭脳とも言える部門だ。
今回は、この統括本部を充実させることが、一つの目玉となっている。
○総支配人——『アメイジングシルキー』のサーヤ
サーヤは、引き続き商会全体を取り仕切ってもらう。
実質サーヤが社長って感じなんだよね。
○『秘書室』室長——『自問自答』スキルの『ナビゲーター』コマンドのナビー顕現体
ナビーに、いつの間にか秘書室長という肩書がついているが……まぁ俺のイメージが有能な美人秘書だからぴったりの役職だけどね。
ちなみに秘書室長となっているが、秘書室には今のところナビーしかいないので一人部門のようだ。
今後は会頭の俺というよりは、事実上の社長である総支配人のサーヤを助けるために、有能な秘書を育ててもいいかもしれないね。
でも絶対に、女性に限定してもらおう。
下手すると『舎弟ズ』とかを秘書に抜擢しかねないからね。
もちろん、一般的には男性秘書もいるわけで、本来的には問題ないが『舎弟ズ』が秘書になってるのは……やだな……。
○『監査室』室長——『家精霊』こと『付喪神 スピリット・ハウス』のナーナ
ナーナは、今までもサーヤを助けるために書類仕事などを中心に、かなりの仕事をこなしてくれていた。
商会の中での問題点や困り事を把握するには、適材なのだ。
ただ、ナーナは、ナーナ自身であるサーヤの家か『家馬車一号』『家馬車二号』『家馬車三号』の近くでしか顕現できないので、活動範囲が限定される。
それを補うために、五人程度優秀な人材を配置する予定のようだ。
ちなみに、ナーナは『家馬車一号』だけでなく、『家馬車二号』『家馬車三号』でも顕現できるようになっているのだ。
レベルアップの効果でもあるようだ。
活動範囲もかなり広くなったらしい。
○『情報戦略室』室長——『アラクネロード』のケニーの人型分体
俺の眷属である『聖血鬼 ホーリー・ヴァンパイアナイト』たちで、行商団を組織した。
この部門には六十人を配置して、十人の行商団を六つ作っている。
行商部門は『フェアリー行商』という部門名になっている。
また警備部門『フェアリー警備』を新設して、商会の各市町の支店で警備を担当してもらう。
この部門には、『聖血鬼 ホーリー・ヴァンパイアナイト』たちが四十人配置されている。
彼らの表の顔は『フェアリー商会』の社員だが、裏の顔はケニー直属の諜報部隊なのである。
彼らには、商会運営とは直接関係ないことも情報収集してもらうのだが、当然商会に関係する情報もあるので、『情報戦略室』と兼務というかたちになっている。
というか……『フェアリー行商』と『フェアリー警備』の部門長も、当面の間、ケニーになっているので実質的には一つなんだけどね。
ちなみに、ケニー直属の隠密部隊の八人は、自由に活動できるように、『フェアリー商会』とは直接関係ない『ピア温泉郷 妖精旅館』の所属となっているので、このメンバーには入っていない。
○『経営戦略室』室長——『兎の亜人族』のミルキー
最近は、サーヤの指示の下、ミルキーが実際の商会運営を取り仕切っている。
環境が人を育てる良い例で、最近のミルキーは、やり手のキャリアウーマンな感じなのだ。
そこで、経営戦略という重要な部門を任せることにしたのだ。
もっとも、経営戦略は一人で決めるようなものでもないので、この統括本部のメンバーを中心にみんなで決めていくことになっている。
案件によって、関連する部門の長や幹部を入れながらやっていく予定なのだ。
ミルキーは、いわばその取り仕切り役といったところなのだ。
ここにも、五名のスタッフを配置する予定だ。
あと、ミルキーの弟のワッキーも、ここの配属にする予定なのだ。
さすがに、九歳のワッキーに部門を任せることはできないので、将来の幹部候補としてミルキーと一緒に仕事をしてもらうことにした。
○『人材育成室』室長——『アルテミナ公国』出身の元冒険者サリイ
『フェアリー商会』に入りたいと自分から訪ねてきたのを、サーヤが気に入って最初から幹部として採用していたサリイさんだが、今回の人事も大抜擢といえるだろう。
商会全体の事業に精通し、指導も上手なことから人材育成という重要部門を任せることにしたようだ。
サリイさんの要望で、この部門の協力要員として『狩猟ギルド』や『ハンター育成学校』を任せている元冒険者パーティ『炎武』の皆さんにも兼務してもらうことになった。
そして吟遊詩人のアグネスさんとタマルさんにも、兼務してもらうことになった。
兼務のメンバーは、無理のない範囲での協力ということになるが、人を育てることや人に伝えることに長けている人たちなので、サリイさんとしては心強い援軍になるようだ。
特に『炎武』のみなさんは、もともと知り合いというか、サリイさんの師匠たちだからね。
○『資産管理室』室長——『兎の亜人族』のアッキー
商会及び俺というか俺たちの資産を管理して、有効活用する部門だ。
この世界には、厳密な法人格というものがない。
商会名義で不動産を買ったり、売買をすることはできるが、商会名義は屋号程度の意味なので、実際には会頭の個人名義と変わらない。会頭の個人資産なのである。
ただ遺言という制度はあるので、跡取りや任せたい人に承継することはできる。
この部門では、全て俺の資産とはいうものの、本来的に商会が所有すべき資産と純粋な俺個人の資産の両方の管理をしてもらうことになる。
アッキーは、まだ十三歳で未成年だが、これまでの仕事ぶりで十分に能力を証明しているので、資産管理を任せることにした。
商会と直接関係ない俺個人としての資産というか管理物件も増えてきているので、台帳を作って整理しておく必要があったから丁度いいし、今後増えても安心だ。
この部門は、俺たちの機密情報も扱うので、基本的にはアッキー一人でやってもらうことになっている。
といっても、サーヤやナーナが手伝うようだが。
○『財務部門』部門長——『兎の亜人族』のユッキー
ユッキーは、十一歳だが冷静沈着で分析力にも優れており、財務部門を任せることになった。
この部門も五人のスタッフを入れる予定だが、状況によってはもう少し増やした方がいいかもしれない。
○『総務部門』部門長——執事バンジェス
元々総務関係を担当してもらっていた執事のバンジェスさんには、引き続き総務部門長として諸々の雑事を頼むことになる。
以上が、頭脳ともいえる統括本部を拡充させた新しい体制だ。
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