427.伝説の秘宝級で、大爆笑!
俺は『魚使い』のジョージ君に、シチミの『サプライズ召喚』のことを説明し、『魚使い用の伝説の最強装備セット』が出たので、使ってほしいとプレゼントした。
ジョージ君は、恐縮していたが、プレートを見せてジョージ君が使うべきものだと納得してもらった。
そして、内容を確認してもらうことにしたのである。
この箱は、軽くて硬い石のようなものでできていて、マグロのような魚が彫刻されている。
白一色で他の色はついていないが、箱自体とても美しい。
俺が好きだったアニメの、女神を守って戦う戦士たちが装着する鎧を入れている箱に、すごく似ている。
ジョージ君が箱を開けると、最初に出てきたのは……
え! ……マグロ……?
取り出した時は、小さな五十センチくらいの魚だったが、すぐに二メートルくらいの大きさになってしまった。
……どう見ても……冷凍マグロなんだが……。
ただ、尻尾などは切り落とされておらず、生きたマグロをそのまま冷凍したような感じだ……。
ジョージ君も不思議顔だ……。
俺は、気を取り直して『波動鑑定』してみることにした。
え! ……衝撃の鑑定結果だ!
なんと、『階級』が『
ニアの『如意輪棒4.0』と同じだ……。
そんなすごい武器なのか……
だが武器の名称は、もっと衝撃的だった!
『名称』が『
もう完全に冷凍マグロじゃないか!
見た目そのまんまじゃないか! 誰が作ったわけ!?
これ絶対遊んでるでしょ!? ……それなのに『
なんか色々と……考えるのが馬鹿らしくなってきた……。
説明には……『氷属性の魔刀。様々な機能を秘めている』としか表示されない。
『魚使い』専用の武器のようなので、真の性能は『魚使い』にしか引き出せないのだろう。
それにしても……魔刀って……全然刀には見えないんですけど……。
ほんとに市場でセラれているような、ただの『冷凍マグロ』にしか見えないんですけど……。
俺は、鑑定結果をみんなに説明してあげた。
ジョージ君は、微妙な表情で汗を垂らしていた。
そして目が点になって固まっていたみんなは、一気に爆笑の渦に包まれてしまった。
マグロの見た目で、『
そして仲間の虫馬『サソリバギー』のスコピンも笑いすぎて、サソリのしっぽの毒針を自分に刺してしまい、しばらく行動不能になっていた……。
なぜだろう……普通では手に入らない凄い『階級』の武器が手に入ったのに……ジョージ君が不憫でならない……。
気を取り直して、ジョージ君に他の装備を箱から取り出してもらった。
だが出てきたものは……とても気を取り直せるような類のものではなかった……。
貝殻だった……。
白い二枚貝の貝殻にヒモがついている……。
作りを見ると……どう見ても……あの伝説の“貝殻ビキニ”にしか見えない……ってグラビアアイドルか!
俺は、この時点で既にゲンナリして……体の力が抜けているが……がんばって『波動鑑定』してみると……
『名称』が『貝殻ビキニアーマー』となっている。
そして『階級』は……『
ただの貝殻にしか見えないが……この装備まで『
もうほんとに訳がわからない……。
内容を見ると……『抜群の防御力誇る鎧』となっているが……どう見ても保護しているのは、胸と腰周りだけなんだが……しかも腰回りといっても局所だけだし……。
そして説明の続きには…… 『何も身に纏わず直接地肌に装備するとき、真の力が発動される』とある。
……可哀想すぎる。
まぁ『魚使い』が女性だったらよかったんだろうが……男だったことが悲劇でしかない……。
弾き語りの『十二人の使い人』に登場した『魚使い』は、ジョージ君と同じように男だった。
そして、こんな装備の話は登場しなかったのだが……もしかしたら、あまりに可愛いそうすぎて削除されたのかな……。
もっとも……弾き語りのストーリーの中では、『魚使い』の戦うシーンはほとんどなかったけどね。
男のジョージ君が、裸に直接『貝殻ビキニアーマー』を装備したら本当に変態だし……かといって、服の上からつけても充分すぎるほど変態だ……。
……もはや変態からの逃げ道はない感じだ。
ジョージ……不憫すぎる……。
俺は、あまりにも可哀想すぎて……これからは本当に弟として可愛がろうと決心してしまった。
そして可哀想なことに……悪ノリしたニアたちに、面白半分で無理矢理『貝殻ビキニアーマー』を装着させられている。
もちろん服の上からだが……。
やはり服の上から白い貝殻のビキニを装着した状態は……ただのド変態でしかない。
……ご愁傷様としか言いようがない……。
なんとなく……俺に助けを求めるような視線が送られているような気がするが……目を合わせる気力がなかった……ごめんジョージ。
ちょうどそんなところに、尋問が一段落したのか……第一王女で審問官のクリスティアさんと護衛のエマさんがやってきた。
そしてジョージ君の姿を見て、ドン引きしていた……。
笑いの要素は一切なく……蔑むような視線をジョージ君に浴びせていた。
確実にド変態と思われたようだ。
可哀想だから、後で誤解を解いておいてあげようと思う。
そしてジョージ君はほぼ放心状態なので、俺が代わりに残りの装備を取り出してあげた。
残りといっても、一つしかなかった。
それは貝殻の形をした盾だった。
これも取り出した時は小さかったが、手にとると魔力を吸って大きな盾になった。
『波動鑑定』をすると……『
さすがにこれは『
それにしても
内容を確認すると……『防御力抜群の炎属性の盾』とある。
盾の炎で敵を焼き尽くしたり、盾のエッジ部分で切り付けて攻撃することも出来るようだ。
そしてこの盾を、亀の甲羅のように背中に装着することも出来るらしい。
専用の肩掛けパーツが内蔵されているようだ。
そして盾の内側には、魔法カバンと同様の収納機能がセットされているらしい。
武器の『
『
今のジョージ君は、服の上から貝殻ビキニアーマーを装着してド変態な姿な上に、右手に冷凍マグロ、左手にホタテ貝を持ってるという意味不明な状態で……ただの危ない奴だ……。
コミカル戦士を通り越して……放送事故のような戦士になってしまっている……。
本当に不憫でしかない……優しくしてあげなきゃ……。
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