第二章
101.旅立ちの、朝。
水田作りの場所の件で思い出したが、盗賊のアジトをまた誰かに使われないようにしたかったし、リリイの家やミルキー達の家も、荒らされないように何か手を打ちたかったのだ。
という話をみんなにしたところ、やはり『ドライアド』のフラニーから良い提案があった。
フラニーの持っている森魔法で、『
魔法の迷い道を作って、その場所を守れるそうなのだ。
その魔法かけておけば、俺達以外にそこに立ち入る事は基本的にできないらしい。
ということで、明日の早朝、俺は盗賊のアジトだった場所やリリイの家そしてミルキー達の家だった場所にフラニーと行って、この魔法をかけてもらうことにした。
盗賊のアジトだった場所は、俺の別荘扱いにしても良い。
数が多すぎだけどね……。
いつか使い道があるかもしれないし……。
何よりもならず者に再利用されるのだけは嫌だから。
そしてついでに、半壊してしまったミルキー達の家も直してあげたいと思う。
これもサーヤかレントンに頼めば、すぐできるだろう。
結局サーヤが一緒に行って補修してくれることになった。
サーヤの『管理物件』に登録する為には、サーヤも一緒に行く必要があったからだ。
……という感じの話をしながらも、俺達は楽しい宴会を続けた。
今日はみんな疲れているので、宴会は早めに切り上げて眠ることにした。
リリイとチャッピーは、俺のベッドで一緒に眠った。
そして他のみんなも、俺の家に入ってきて一緒に眠ったのだった。
さすがにベッドにまでは入ってこなかったが。
何かフラニーとレントンが大きなベッドを作る計画を話していたようだが……。
◇
俺は翌朝早起きして、フラニー、サーヤ、ミルキー達、リリイを連れてそれぞれの家や盗賊のアジトを訪れた。
予定通りすべての場所にフラニーの森魔法をかけてもらった。
ミルキー達の家は、サーヤが補修してくれた。
そしてサーヤが、ミルキー達の家とリリイの家、それから俺の別荘扱いにする盗賊のアジトだった場所の何カ所かを『管理物件』に登録してくれた。
昨日のレベルアップでサーヤのスキルレベルも上がって、『管理物件』のスロットがニつ増えて十二になったらしい。
増えたとはいえ、盗賊のアジト全部を登録できないので、距離的なバランスでピックアップして登録してもらった。
後でいつでもチェンジできるらしい。
ちなみに『管理物件』スロットは……
『サーヤの家』
『家馬車』
『霊域の俺の家』
『大森林の俺の家』
『不可侵領域のミルキーの家』
『不可侵領域のリリイの家』
……の六箇所と、俺の別荘扱いの盗賊のアジトだった場所十カ所のうち、距離的にちょうど良いものを六箇所を登録した状態となっている。
俺達はやることを終えて、すぐに転移で戻ってきた。
そしてすぐに出発の準備を始めた。
『家馬車』はかなり大きいので、本来『馬車馬』四頭で引くらしい。
ただ、『
今のレベルアップしたオリョウなら一頭で引く事も可能のようだ。
ただ一般常識からすると、大分ありえない光景なようなので、フォウと二頭で引いてもらうことにした。
まぁこの組み合わせも通常はありえないらしいが……。
竜馬と
普通は同じ種類で統一しているとのことだ。
ちなみにフォウは、『スピリット・ブロンド・ホース』ではなく、よく似ている普通生物である『金馬』のふりをしてもらうのだ。
ちなみに人族の街に行くから、人型以外のメンバーは他人の前での通常会話は禁止してある。
念話のみとなるので、結構ストレスが溜まるかもしれない。
そしてこれから旅立つ俺達パーティーのメンバー構成は……
人間というか人型ポジションとして……俺、ニア、サーヤ、ミルキー、リリイ、チャッピーの六人
家というか馬車ポジションとして……ナーナ
荷引き動物ポジションとして……オリョウ、フォウ
ペットポジションとして……リン、フウ、トーラ、タトル
カバンポジションとして……シチミ
置物というか盆栽ポジションとして……レントン
……となった。
かなりの大人数だが、普通の見た目には六人パーティーと見えるだろう。
なんとも不思議なパーティーだが、これから旅の始まりだ。
楽しみだ!
新メンバーには、ニア達同様、『波動』スキルの『波動調整』コマンドのサブコマンド『情報偽装』で、普通のステータスを貼ってある。
だから、例えばタトルも『スピリット・タートル』ではなく『リクガメ』としてのステータスになっている。
ちなみにレントン、トーラ、タトル、フォウの霊域メンバーは、サブメンバー的な扱いにした。
常に同行しなくても、霊域や大森林と行ったり来たりする自由な感じで良いと思っている。
これにフウを入れてもいいかもしれない。
親や兄弟と会えるしね。
彼らは人族の街ではペット状態でいないといけないし、結構ストレスが溜まると思うんだよね。
シチミ達を見ててもね……そんな感じだし。
だから時々参加すればいい位のサブメンバー的なポジションの方がいいと思ったのだ。
そんな説明をして一応納得してもらったが……なんとなくいつも一緒にいたそうではある。
まぁストレス無くいれるなら問題ないんだけどね。
実際は行ってみないとわからないしね。
一応マグネの街に入る時のストーリーも考えた。
あの騒動の後に急遽、サーヤやミルキーの知り合いの子達を迎えに行くために街を出て、リリイとチャッピーを連れて帰ってきたというストーリーだ。
◇
俺達はフラニーの転移で関所のすぐ近くの林のはずれに移動した。
一番最初に移動した林よりも、はるかに関所に近いところに転移できるから楽ちんだ。
俺達は馬車を進める。
少し行けば、すぐ関所だ。
———早速見えてきた。
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