懐かしい君へ

めぐみ「そういえば、もうすぐ成人式ね」

おうか「そうね。お正月が終わったら、成人式よね。メグは成人式いくの?」

めぐみ「どうしようかしら?仕事入っているだろうし……」

おうか「仕事?」

めぐみ「うん。成人式の日、歌番組に出れるかもしれないの」

おうか「本当?よかったじゃない」

めぐみ「これもそれもおうかのおかげよ。そこで新曲お願い♡」

おうか「突然ね」

めぐみ「いいじゃない。ちゃんと、提供料払うわ」

おうか「そんなに売れた?」

めぐみ「売れるわ。今度の歌番組に出れば、売れるはずよ」

おうか「わかったわ。考えてみる」

めぐみ「ありがとう」


*********


懐かしい声が心に響いてる

君はいま何をしているのだろう

久しぶりに会えるのだから

たくさんのことを話したい

お気に入りの喫茶店で

他愛のないことでもいいから

「友達同士」だった

それだけで終わってしまった

君はまだ気づかない

私のこの想い


懐かしい風が髪を揺さぶっていく

君は今頃誰を想っているのだろう

久しぶりにあえたことが

うれしいのに悲しい

お気に入りの曲聞きながら

涙が流れそうになる

「友達同士」だった

そんなふうに思えなかった

君はまだ遠い

私のこの想い


懐かしい故郷の香り覚えいる

通った道

遊んだ公園

まだ幼かった私たち


「幼馴染み同士」

それだけの懐かしさなのかな

君も私も

それぞれの道を歩いている


言いたい

言えない

切ない

苦しい

忘れよう

でも忘れられない

この想い届けたい


いつのまにか君は遠い

遠い故郷の空が懐かしい


初めての恋


さよなら


*********

めぐみ「ねえ。おうか。うちはこくろうと思っとる」

おうか「はあ?なんば、改まっていいよる?いつもしよるやんね」

めぐみ「そいじゃなか。ちゃんと言おうと思う」

おうか「いま、そがん場合じゃなかろう」

めぐみ「そがんばってん。いいたか。いますぐ、いいたか。そがんせんぎ、彼もうすぐおらんごとなる」

おうか「……」

めぐみ「よかかなあ」

おうか「勝手にせんね。いましかなかとやろう」

めぐみ「ありがとう。いってくる」

おうか「いってらっしゃい」




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