いきあたりばったりの素人の詩は評価されますか?

野林緑里

まえがき

田舎者の夢

めぐみ「ねえ、おうか、うちに歌ば作ってくれんね?」

おうか「どがんしたと?急に言い出て……」

めぐみ「うち、上京して、本気で歌手目指そうと思っとる。けど、うち、歌とか作りきれんけん」

おうか「それで?なんで、私が書かんばいかんと?」

めぐみ「だって、おうか、国語の成績いつもよかやんね」

おうか「はあ?それでなんで歌?」

めぐみ「それにおうかは小さいころからピアノしよったろうもん」

おうか「そりゃぁ、お母さん、ピアノの先生やっけん」

めぐみ「じゃあ、お願い」

おうか「はあ、わかった。けど、自信なかばい。私はただの素人。ただの田舎の女子高生やっけんね」

めぐみ「そう?ただのってのはちがうやろう?うちらは苦難を乗り越えた女子高生やん」

おうか「……」

めぐみ「そういうことでよろしく」



そんな会話を交わしてからというもの、桜華は彼女のための曲を作るようになった。高校を卒業して、上京した愛美は路上ライブを繰り広げて、最短の半年後王手事務所の所属し歌手デビューした。けれど、まったくというほど売れず、なんとか売れるようになったのはそれからさらに一年後だった。なんとなく知名度が上がったものの、彼女と一緒に会話したとしても気づかないものも多い。時間をおいて「歌手のひと」と呼ばれることも多い。


めぐみ「今回の新曲、すごく評判がいいのよ。今度こそ、売れるってお墨付き」

おうか「それはよかったわ。書いたかいがあった」

めぐみ「もう素人なんていわせないわ。おうかはプロよ。プロの作曲・作詞家よ」

おうか「なにをいっているのよ。私はただの骨董屋の店員よ」

めぐみ「そんなこといって~。これからも頼むわ」

おうか「頼まれても……。プロの人に作ってもらいなさいよ。提供の話でているん    でしょ」

めぐみ「そうだけど……。でも、おうかの歌がいいの」

おうか「仕方ないわね。できるかぎりはするわ。まあ、素人だからあまりあてにし    ないで」

めぐみ「そんなことないわ。自虐的すぎる」

おうか「ありがとう。お礼はいっておくわ。できるかぎり、いいものを作るように    する」

めぐみ「よろしくね」


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