四百五十六話 改めて紹介

「改めて自己紹介しておくか。俺はソウスケ、パーティーメンバーは三人がこの前会ったミレアナと従魔にザハークって名前のオーガがいる」


「私達はアレアス学院の生徒、リアス・エラーザルです」


「セリス・ファイザーと申します」


「カレア・ザリザス、です」


三人共家名があるという事で、全員貴族の令嬢ということが分かる。


(やっぱり三人共貴族の令嬢だけあって綺麗だな。スタイルも良いし……貴族の子息が色んな意味で求めたくなるのも解かる)


ソウスケは三人になるべくバレない様に容姿に注意を向ける。

髪一つとて一般人とはその質が違う。


「三人は学校から依頼……的なものを受けて調査に来た、で合ってるか?」


「はい、この街の近くにある火山付近で珍しいモンスターが現れたという情報があり、その調査をしてきて欲しいと。他にもその依頼を受けようとしている生徒達はいましたが、実力を選別した結果私達が受けることになりました」


サラッと私達は強いのですという発言に対し、ソウスケは特に不快感にはならなかった。

それは彼女達の性格が悪くないという事もあるが、そこまで自信が表情に現れるだけの実力が彼女達にあると感覚的に解っている。


(幼い頃からレベルの高い教育を受けてきたエリートって感じか……そりゃ多少なりとも実力はあるよな)


ただ、そんな実力もソウスケからすればそこまで大したものでは無い。


「ちなみにどういった事が出来るんだ? 別に全てを話す必要は無い」


「私は風魔法と土魔法が使えます。接近戦ではレイピア、体術が少し出来ます」


「私は火と水魔法が使用出来ます。水魔法では一応回復魔法が使えます。接近戦では双剣を使用します」


「わ、私は氷と光魔法が使えます。せ、接近戦は……一応メイスを使えます」


三人の紹介からソウスケは改めて優秀だなと思った。

ただ、カレアが使用する魔法が少々気になる。


「ザリザスは少しその……使える魔法の系統が珍しいんだな」


「この子は少々特殊でして……色々と過程をすっ飛ばして修得したのです」


「だよな。氷魔法って普通は水魔法と風魔法を習得して練度が上がれば修得出来るものだし」


実際にはザリザスの様に過程をすっ飛ばして覚えてしまう人物は少なく無いが、珍しい事に変わりは無い。


「光魔法も……色々過程をすっ飛ばしたのか?」


「えっと、その……私の祖先の人が使えたらしくて……だから私も覚えることが出来たんじゃないかって、両親から言われました」


「あぁ~~、なるほど。両親が言ってることは正しいと思うぞ」


武器、魔法の才能。そして武器と魔法の適性。それは遺伝する可能性が高い。

そして一度は途切れてしまっても、遠い子孫がその魔法を使える可能性は十分にある。


「三人共優秀なんだな。俺は……魔法に関しては秘匿させてもらう。ただ、とりあえず攻撃や防御も出来ると言っておく。接近に関しては刃を使う武器がメインだが、ハンマーとかも一応使える。」


「……火山付近に生息するモンスターあいてには、打撃系の武器も使えておいた方が宜しいでしょうか」


「そう、だな……確かに使えておいた方が良いけど。そこら辺は気にしなくても良い。俺がそもそも使えるし、ザハークの打撃があれば基本的堅い相手は問題無い」


「ですが……」


「・・・・・・ザハークはオーガの中でも特殊なオーガだ。だから相手がゴーレム系のモンスターであっても特に問題無く倒せる」


事実として、ザハークは斧やハンマーを使わずともゴーレム系のモンスターを討伐することが出来る。

勿論限度があるが、火山付近に生息するモンスターの防御力を考えれば、ザハークの拳で倒せないモンスターは九割九分九厘いない。


「そ、そうですか……分かりました」


自分達は決して打撃系の攻撃に特化していないと解っているので、潔く下がった。


「それで、その珍しいモンスターってのは何か特徴があるのか?」


ソウスケもミレアナやザハークと考えたが、その結果が正しいとは限らない。

なのでリアス達が持つ情報も知っておきたかった。


「人型で、打撃に特化しているという情報を先生から聞きました」


「……それは、実際に被害が出ているからこそ手に入った情報か?」


「はい。既に死人が出ているそうです。いずればCランク以下の冒険者だと」


人型で打撃に特化しており、Cランク以下の冒険者が殺されている

それらの情報により、なんとなくではあるがソウスケの頭の中にイメージが浮かんできた。

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