四百四十七話 対策として

「外装も綺麗でしたが、内装も綺麗ですね」


店の中へと入ったミレアナは中の内装に感心しながら早速商品を見て回る。


(……流石外装と内装を目立つようにしてるだけあって、良い商品が揃えられていますね)


ミレアナが入った店はアクセサリー店。

しかもただの店では無く、フレイルスで一・ニを争う店。なので置いてある商品はどれも性能が他の店と比べて高い。


ただ、勿論商品の性能が高ければその分値段も高くなる。


(耐熱と防御力の向上……後はブレスに対抗する為の腕輪やネックレス。やはり火属性のモンスターに対応するためにマジックアイテムが多いですね)


基本的な身体能力向上目的のマジックアイテム置いてあるが、街からそう遠く離れていない場所に火山があるので、そこに生息する火属性のモンスターとの戦闘を有利に進めるためのマジックアイテムが多く置かれている。


「……やはり身体強化系のマジックアイテムは必要無さそうですね」


少し前に潜ったダンジョンで宝箱から多くのマジックアイテムをゲットしている。

その中にはそれなりに性能が高いマジックアイテムがあり、三人共装備している。


そのマジックアイテム等に比べると、店に置いてある身体強化系の魔道具は少々見劣りしてしまう。


「ですが、やはり耐熱や耐ブレス系のマジックアイテムは買っておいた方が良さそうですね」


前回潜ったダンジョンでは耐異常状態のマジックアイテムやポーションは多く手に入ったが、耐熱系等のマジックアイテムは本当に数える程しか手に入らなかった。


手に入れたマジックアイテムもそこまで性能が高い物ではなく、今回の依頼を考えると少々不安になる。


(攻撃面は全く問題無いでしょうが、防御面は少々対策しておいた方が良さそうですね)


ミレアナは自身とソウスケとザハークに合うマジックアイテムを探す。


(……私とソウスケさんは風魔法も使えますし、ザハークには耐ブレスのマジックアイテムがあった方が良さそうですね)


ランク四のサイズ変化可能な耐ブレスの指輪をザハーク用に購入を決める。


(私はやはり防御力向上系のマジックアイテムですかね)


自身の防御力の低さを自覚しているミレアナは既にその系統のイヤリングを付けているが、念のためザハークと同じ指輪タイプのマジックアイテムを手に取る。


(ソウスケさんには・・・・・・超オールラウンダーですが、それでも暑さを和らげるマジックアイテムはあっても損は無いでしょう)


自身が有するスキルは多数存在し、その他の蛇腹剣で吸収したモンスターのスキルを使えるという「汎用性が高い」その言葉だけでは良い表せないスキルを持つソウスケ。


ただ、そんなソウスケも元は人。

先日の冒険で耐熱のスキルを有するモンスターを蛇腹剣で喰らった事で耐熱状態を維持で来ているが、モンスターや対人で食らう熱とは別に日常的に襲ってくる暑さはまた違う。


職人達が造るマジックアイテムには日常的な暑さを和らげる物が存在する。


冒険者の体温は戦闘が始まると必然的に熱くなる。

それに加えて暑さによる攻撃、これが中々バカに出来ない。


水の魔力を応用することでそれを和らげる事も出来るが、持続的に魔力を消費してしまう。


(……私は大丈夫ですが、ザハークも少々辛そうでしたのでザハークの分も買った方が良さそうですね)


ミレアナは暑さに耐性があるが、ソウスケとザハークには無い。

こうしてミレアナは四点ほどマジックアイテムを購入。


どれもランク四は超えているので金貨が飛ぶ。


しかしダンジョン探索や盗賊討伐でソウスケの懐は潤っており、毎月遊んだり自分が欲しい物の為に貰っている金の量は高ランクの冒険者でも驚く。


会計を担当した店員はまずミレアナの容姿とスタイルに驚き、その後ミレアナが買い上げる商品の値段に驚く。

そしてその金額を涼しい表情のままカウンターに置くミレアナに更に驚き、終始驚きが止まらない状態となっていた。


買った商品を収納袋に入れたミレアナは次の目的地に向かうため店を出る。

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