三百三十三話 個人的にそれが欲しくて

「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、はぁーーーー・・・・・・あなた本当に冒険者に成ったばかりのルーキーなの? 普通、ここまでタフな年齢じゃないと思うのだけど。もしかして爵位の高い貴族の子息だったり?」


「そんな訳無いだろ。ただの元平民で冒険者になりたてのルーキーだ。でも、こういった場所に来るのが初めてってわけじゃないんだよ」


(半分はオークのが持つ精力増大のスキルのお陰だけどな)


息子は精力増大の影響を受けて長時間元気なままだが、反り立つ息子はソウスケの自前。

初めて見たレイアは驚きを隠せない表情になったが、その後直ぐに獲物を見る様な獣の目に変わった。


それから二人は三十分程ノンストップで最初から最後までの行為を終え、少し間を置いてからレイナはバニーガール姿に着替えた。


別にソウスケが頼んだ訳では無く、レイアが自分から着始めた。

着替え終わったレイナの姿を見てソウスケの息子はまだまだ余裕ではあるが、少し落ち着きたい状態だったが直ぐにメーターを振り切るような勢いで元気になってしまった。


カジノで見た姿とは違い、行為後という事もあって更に色気が増していた。


(ありゃーーー反則だったな。着替えた後も俺にもう一戦誘ってくるんじゃなくてただベットにゆっくりと転がるだけ。あれがまたたまらなかったな)


その時の光景を思い出したソウスケはまたムラムラし始める。


「・・・・・・ふふ、本当に底なしなのね」


「いや、まぁーーーそう、かもしれないな」


(精力増大を使っていなかったらここまで連続で頑張れないけどな)


体力に関しては問題無いが、通常時のソウスケならばそこまで種が多いくは無い。

しかし精力増大を使った効果で未だに賢者タイムには入らない。


「ただ、もう少し待って貰って良いかしら。流石に体力が、ね」


「わかってるよ。別に俺は鬼や悪魔じゃないんだ」


「ありがとう。その辺りは紳士なのね」


「普段は紳士でないと。まっ、冒険者の俺が真摯な性格というのも可笑しいけどな」


「そうねぇ・・・・・・普段のあなたはそこまで知らないけど、ベットの上のあなたは紳士の皮を被った獣ね」


レイナもこれまで多くの者から一晩の誘いを受けた事はあったが、完全にノックアウトすることは無かった。

したとしても、その時は相手も同じくダウンしている。


しかし目の前の冒険者は疲れている表情はしていても、どこか余裕を感じさせる。

何よりも十戦近くもした後だというのに未だに息子が反り返る程元気なのだから。


(本当に、見た目は背伸びをしている子供って印象なのに、下半身は立派な大人で男みたいね。終わった後にどこかぼんやりと視線を向ける姿も随分と様になっているし、本当に冒険者に成って一年も経っていないルーキーなのかしら?)


世界には自分が知らない多くのスキルがあり、その中には個人の年齢や見た目を若返らせるスキルがあっても不思議では無いと思っている。


(もしかし本当に子供なのは見た目だけで、中身は完全に大人なのかしら。でも・・・・・・子供の振りをしている様には見えないのよね)


まだ紛れもなくソウスケは日本で言えば未成年で子供であり、この世界でも成人に成りたての年齢に変わり無い。


「ソウスケは、この街に何目的で来たの?」


「突然の質問だな」


本当にいきなりの質問だったが、ソウスケは面倒な部分を省いて説明する。


「この街のダンジョンは草原や森に密林といった階層だからトレントがいると思って違う街からやって来たんだ」


「トレントって、確か木のモンスターよね。木魔法を使って鋭い枝をとばしたり体の一部を伸ばしたり体を再生させる」


「水分と詳しく知ってるんだな。そのトレントで合ってるよ。んで、トレントの木が欲しくなったからこの街にやって来たんだ」


「トレントの木を? 別にそれは依頼では無いのでしょ」


「ああ、依頼じゃない。個人的にそれが欲しくてな」


(正確には依頼に入るんだけどな)


冒険者が何故モンスターの素材とはいえ、木を欲するのかレイナには理解出来ない。

そう解れば直ぐに理解するのを止める。


そしてソウスケの元気もモリモリな息子に目を向け、妖艶な笑みを浮かべて抱き着く。


「少し回復したし、最後に一戦しましょ」


レイナの誘いにソウスケは再び夜の狼へと姿を変える。

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