二百五十四話一つはまず却下

(やっぱり錬金術を使ってそういった事が出来るゴーレムを造るのが一番ベストか)


暗殺に長けた技能を持つ奴隷を購入し、その事に専念させる案を却下した場合はそれ以外の方法は基本的に無い。

しかし仮に暗殺に適したゴーレムを造る事が出来たとしても、不安要素がソウスケにはあった。


(そもそもそういったゴーレムを造ったとして、俺の視覚外の範囲でしっかりと稼働するものなのか? それが可能だとしても現場の状況が正確に把握出来なければ意味が無い・・・・・・ヤバい。中々に難しいな)


遠隔操作が可能になり、自分の視界とゴーレムの視界がリンクして現状が確認出来るようになっても遠隔操作が出来る範囲が暗殺に成功した場合に、犯人だと疑われる可能性が無い距離なのか。


不安要素を上げればきりがない。


「・・・・・・はぁーーーー。やっぱりミレアナの案が一番良いのかもしれないな」


「かもしれません。ですが、ソウスケさんが奴隷を使う方法が嫌だと仰るなら別の方法が良いかと」


ミレアナも自分の考えた案が一番良いと言われたのは嬉しかったが、ソウスケが好ましくないと感じている方法を押し付けたくは無かった。


「ミレアナさん、何か魔法の類で別世界からモンスターを呼び出して契約する方法などは無いのですか?」


ザハークなりに頭を振り絞って出した方法。

最終的な案はミレアナの知識だよりだが、本人はその方法を完全に忘れていた。


「その方法がありましたね。すっかり忘れていました」


「そんな別の世界からモンスターを呼び出す方法なんてあるのか?」


「はい。私が知っている召喚魔法は精霊と悪魔と天使を呼び出すものです」


精霊、悪魔、天使。その三つの名前からひとまず天使はないなとソウスケは却下した。

単純に戦いの為なら契約をして読んでも構わないが、暗殺などの為に召喚する事は出来ないだろうとイメージ通りに判断する。


(もしそんな事を了承する天使がいたら、既に堕天使コースに足を踏み入れている天使しかいないよな)


ただし、ソウスケの中で精霊も大半の者は無理だろうと諦めていた。


(闇の精霊とかそういうのがいれば引き受けてくれるかもしれないけど、そもそも属性を指定して契約できるのか分らない)


精霊も多少の不安要素が残るので選択肢から外す。

残ったのは悪魔の召喚魔法。


「悪魔が俺の要求に答えてくれそうだな」


「頼む内容を考えるとそうですね。ただ、私もその呼び出す方法の詳細までは解らないので直ぐには実行出来ません」


「別に今すぐ必要って訳じゃないから大丈夫だよ。可能性が分っただけでも大きな収穫だ。ナイス案だぜザハーク」


「それは良かったです。あまり魔法に詳しくは無いですが、そういった魔法があっても不思議では無いのではと思ったので提案させて貰いました」


普通にソウスケが考えついても可笑しくは無い方法だったが、自分で何かを造れるようになったソウスケの視野は少し狭くなっていた。


召喚魔法ならば暗殺の際にもソウスケ達が差し向けた者だとバレる事無く、日常でモンスターと戦う場面でも呼んで共闘する事も可能。


「召喚される悪魔の基準とかって最初から選べる方法とかあったりするのか?」


「基本的には召喚に使った者の魔力総量によるらしいですが、その人が持つ魔力の性質も大きく関係するらしいですよ」


「魔力の性質ねぇ・・・・・・・・・・・・そりゃまた自分じゃ良く解らない部分が関係するみたいだな」


魔力の総量に関してはそこそこ自身があるソウスケだが、自身の魔力の性質に関しては全くもって理解していない。

なのでどういった性格や力を持つ悪魔が現れそうなど、全く予想する事が出来なかった。

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