二百二十話適性のある武器
(暗殺かぁ・・・・・・確か毒のスキルは蛇腹剣でモンスターを吸収した時に手に入れたっけ。だとしても実戦で使えるレベルには程遠い。足音や気配を消す事に関しては多少自信はあるが、罠を掻い潜ったり暗殺方法ってなるとな)
ソウスケが使う武器は蛇腹剣、水龍の蒼剣、コボルトキングの素材を使ったグラディウスにコボルトの上位種の素材を使った短剣。
どれも暗殺に適しているとは言えない。
何か良い道具は無いか、ソウスケは頭の中に多数の武器を浮かべる。
(暗殺に適した武器・・・・・・大きさは勿論小さい方が良い。そして細く、刃物・・・・・・短剣がオーソドックスかもしれないが、他にもある筈だ)
「ソウスケさん、今度は何を考えているのですか」
「まぁ・・・・・・あれだ、一応考えておいて損は無いと思ってな。暗殺の道具をな」
「暗殺の道具ですか・・・・・・針なんて良いんじゃないですか?」
ミレアナの提案にソウスケは前世の漫画で見たワンシーンを思い出す。
(針か・・・・・・確かに良いな。忍者が吹き矢で暗殺するシーンとか漫画であったな)
ソウスケの中で一つの案が纏まった。
「普通の針も良いが、それだけじゃなぁ・・・・・・針の剣、針剣ってのはありか。ただ、普通に売ってるような武器じゃないだろうから、オーダーメイドで造って貰うか自分で造るのかのどっちかだ」
「そういえばソウスケさんは鍛冶のスキルも持っているんでしたね」
「ああ、一応な。ただレベルがそこそこ高くても、経験がゼロだから針剣を作る前にある程度経験を積まなきゃ造れそうにないけどな。それでも多少時間が掛かってもやる価値はありだ。針に関しては鉱石が材料でなくとも、トレントの木でも十分だろう」
「目的が増えてきましたね」
「エアーホッケーと暗殺用の針の為の材料、ザハークの育成。そんで余裕があればダンジョンの最下層のボスを倒す。確かにやる事は多いが、それだけ色々と楽しめるって事だ」
今後の予定が改めて決まったソウスケ達は腹がなる前に食堂へと向かった。
頼んだ料理がいつも食べている料理のランクより一段階上だった為、ソウスケはその美味さに思わず唸りそうになってしまった。
翌日朝食を食べ終えたソウスケ達はダンジョンへ一直線へ向かう。
ダンジョンの入り口前でソウスケ達を見かけた事が無かった冒険者が声を掛けようとするが、他の冒険者達がミレアナの怖さを伝える事で二次災害を阻止する。
(一度恐怖を与えれば案外虫よけになってくれる同業者もいるんだな)
三日かけてダンジョンを降りて行き、ソウスケ達はようやく十階層のボス部屋の前に辿り着いた。
運良く、扉の前には同業者がいない。
これ幸いとばかりにソウスケは直ぐに扉を開けようとする。
「一応聞いとくけど、何か入念に準備する必要は無いよな」
「今まで倒したモンスターの強さから考えて特に必要は無いかと」
今までダンジョン内で倒してきたモンスターを思い浮かべ、特に準備は無いとミレアナは判断した。
「ジブンモトクニモンダイナイカト」
ザハークも今まで戦って来たモンスターが、自分と一対一でも十分に倒せるモンスターだったので、自分より遥かに強いソウスケとミレアナがいれば負ける確率は無いと思っていた。
「だよな。うい、それじゃあ行くとしますか」
ボス部屋の扉を開けると、中には一体のオークとホーンラビットやソードラビットとは比べものにならない程大きなウサギのモンスターがいた。
「随分とデカいな。えっと・・・・・・ラージアスラビット、レベルは十後半か。額に何もないって事は蹴りとかタックルがメインか?」
「いいえ。ソウスケさん、ラージアスラビットの攻撃は耳が特徴的です。寧ろ蹴りより耳での攻撃の方が厄介に感じる筈です」
ミレアナの言葉にソウスケは今一つ理解が出来なかった。
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