11.反省

 ここはダンジョン20階層のボス部屋前、1人の男がいた。すると、階段の上の方から3つの大きな影がやってきてその3つの影が姿を表すとドラゴンだった。そのドラゴンは男の前に降りると、ドラゴン達が人間の姿になった。


「ただ今戻りました。ユウ様」


「おう、お疲れ様。損な役回りをさせて悪かったな」


「いえいえなんの。ユウ様は我らに新たな力をくれ、我々の尻拭いまでさせてしまい、更には龍神様を助けて下さると言う。それに、我らが住めるように街を作って下さり、食糧の問題も解決してくれた御方。優様のお役にたつ事ができるのなら我ら龍族は嬉しい限りでございます」


人間の姿になった龍族達が頭を下げた。


「俺はそんなに偉いやつじゃないし、食糧問題や街の方も案を出したりしただけで、俺は特に何もやっちゃいないさ。それと、龍王が簡単に頭を下げるな」


「何をおっしゃいます。私はたかが龍の王です。 それに比べユウ様は神でございます。それに、我らが束になろうとも勝てないほど強い御方、頭を下げるのは当たり前のことでございます」


「そ、そうか。そこまで言うならまぁいいか」


「ただ、優様の偽物とは言え咥えるのはなんとも言えない感情になりました。幸い直ぐにいなくなりましたが」



「それは悪い事をしたな。あと、なんでわざわざ龍王が来たんだ?」


「私が来た理由は、来たかったからです!」


「,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,そうか,,,,,,」


「はい」


「それと、お前達もありがとな」


「「ありがたきお言葉」」


「龍神を助けたら先にお前達の街に行くことにするよ」


「お待ちしております。それではユウ様私達はそろそろ戻ろうと思います。何かあればすぐさまお呼びください」


「あぁ、ありがとう。そうさせてもらうよ。それと、お疲れ様」


「「はい!」」


「龍神様のこと頼みます。それでは、失礼致します」


「あぁまかせろ」


3人はその場から姿を消した。


 そして何故優が20階層にいるかと言うと、実は先日国王達の話を聞き、召喚士を脅し国王達の策を利用して、先回りをしてダンジョンに行き龍族に手伝ってもらった。


 因みに龍族と知り合ったのは優がこの世界に来てから5日目の事だった。暇になってきたのでゼロスと話していた時だった。


『なぁ、爺ちゃん。暇だから今からどっか出かけようと思うんだけど、何処か面白い所はないか?』


『そうじゃな、それなら龍族に会いに行ってはどうじゃ?』


『なんでだ?』


『龍神に会う前にまず、龍族に会って話してみるといいじゃろ。それと、龍族は基本温厚じゃが偶に無駄にプライドが高いやつがおるからの。まぁ取り敢えず行ってみるとよかろう』


『わかった』


と言う話になり優そっくりのホムンクルスを作って腕輪を外しそいつにつけ、代わりになってもらい、隠蔽を自分にかけて城を出ていって龍族に会ってそれから何やかんやあったのだった。この話はまた後に。


閑話休題


「それじゃボス戦と行きますか」


 優が扉を開くとそこに居たのはゴブリン100体だった。


「へぇ、20階層は数の暴力か。なるほど。流石にこの数は面倒いから腕輪を外して速攻で終わらせるか。んー、何がいいかな、それじゃぁ、氷結地獄コキュートス、そんで、炎爆地獄エクスプロージョンっと、はい終わり」


炎の爆破が終わるとそこには何も残っていなかった。


あー、やりすぎたがまぁいいか。さて、サクサクと進んでいくか。


それから大した魔物も出てこず30階層に到着した。


「さてさて、次は何が出てくるのか楽しみだな」


 扉を開き中へ入ると今度は頭に2本の角があり、大きさは人より大きい狼が10匹いた。


『爺ちゃん、こいつなんだっけ?』


『どれどれ、そいつは一角狼の上位種じゃな。スピードがとても速く、偶に魔法を放つことが出来る個体もおるのう。人間からしたら1匹討伐するのに普通の冒険者が最低5人は必要な魔物じゃの。まぁ、優には関係ないと思うがの』


『なるほど、ありがとう』


こいつも20階層の時と同じでいいか。面倒臭いし。


ドカンッ!


はい終わり。次に行こう。


『優と出会った魔物は戦うことすら許されないのか。魔物が可哀想に思えてくるのう。少しでいいからちゃんと戦ってやってはどうじゃ?』


『え?だって数が多いと面倒臭いし,,,,,,,,,でも、多くなかったら流石にちゃんと戦うさ』


よし、次に行こう。


その後も今までと同じように特に何も問題なく、進んでいき40階層についた。


だが、優は扉の前で止まっていた。


『なぁ、爺ちゃん、面倒臭いから、このまま地面壊しながら下に進んでいいか?』


『それじゃあダンジョンの意味がなかろう!それに壊したあとはどうするんじゃ?』


『え?そんなもん直せば済むことだろ?』


『はぁ、もういい。優の好きにせぇ』


『わかった。でも、下まで進むって言っても150階層までしか行かないぞ?そこから先はちゃんと進んでいくさ』


『そうかい。まぁ、優がしたいようにすればよかろう。ただ、そんなことしていいのは今回だけじゃぞ?』


『わかった』


 でも、どうやって壊すかなぁ、魔法で壊すか殴って壊すか、迷うな。


 あ、そうだ、槍に雷属性と火属性を付与して地面に向かって投げるか。それと、普通に立ったままじゃやりづらいから、飛んでから投げるか。


 優は神界で作った槍取り出し、雷属性の迅雷と火属性の炎爆地獄エクスプロージョンを付与し、龍族達に会いに行く時に作った飛行フライのスキルで飛び上がり身体を地面に向けそのまま、槍を投げた。


ドカンッドカンッドカンッドカンッドカンッドカンッドカンッドカンッ


物凄い音を出しながら次々と地面を破壊して行った。


「おぉー、凄いな。まさかこんなに威力が出るとは,,,,,,,,,,,,これ、150階層以上行ってないよな」


『はぁー、やり過ぎじゃ優』


『俺も少し反省してる。まさかここまで威力が出るとは思わなかった,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,なぁ、爺ちゃん、ミルとフルールには黙っててくれ。頼む』


『駄目じゃ。1度叱ってもらえ』


『えー,,,,,,,,,,,,,,,,,,』


優は気分が下がりながら槍が開けた穴を塞ぎながら下へと降りていった。


あぁぁぁ、やっと着いた、長かった。それに疲れた。あと、ここ何階層だ?


『爺ちゃんここ何階層か分かるか?目の前にはボス部屋っぽいのがあるが』


『ちょっと待っておれ。,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,わかったぞ、そこはのう190階層じゃな,,,,,,,,,,,,,,,,,,はぁ,,,,,,,,,,,,』


『,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,えぇーーーーーーーーー!』


『はぁ、さっき150階層までしか行かないと言っていたのはどの口やら,,,,,,,,,,,,少しは自重をするんじゃ』


『はい,,,,,,,,,ごめんなさい。』


『まぁ、もうそこまで行ってしまったもんは仕方がない、次からは気をつけるんじゃよ。それと、後でミルとフルールにたっぷりと叱ってもらって反省をすることじゃな』


『はい』


やってしまったのは仕方がないので取り敢えず切り替えてボスへ挑む事にした。

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