4.爆乳美女食わねど高楊枝なんですかっ!

 花穂姉ちゃんが急にスポーツクラブに行こうと誘ったのは、四条春香と俺を会わせるためだったのだ。


 それでも、騙されて女子更衣室に連れて行かれたのは納得できない。


「姉ちゃん、なに考えて俺を女子更衣室なんかに連れて行ったんだ」

「花穂ちゃんが蒼太郎を連れてくるのは知っていたが……まさか、覗きとは……」

「違いますよ。姉ちゃんが更衣室はこっちだって案内するから……」

「ここは去年改装されて、更衣室の位置が変わったからな」

「すみません。結果的に覗くことになってしまって」

「知っていて目の前で着替えたんだ。興奮しただろう?」


 臆面もなく、羞恥心もない。

なんてくだらないことに巻き込んでくれるんだろう。


 ひとつ間違えば今頃警察のご厄介になっているところだ。

ちょっと言い返してやる。俺の見たとおりの感想をぶちまけるのだ。


「先輩の裸は興奮しましたよ。姉意外のアソコ見たのは初です」

「蒼太郎は、初めてわたしの全裸を見た男だ」

「先輩、俺より先に両親が小さい頃に裸見てますよ?」

「屁理屈を言うな。中学生以降の全裸など親も見てない」


 俺は小さい頃から、姉二人の裸のオンパレードだ。

奴らはこちらが見たくなくても、無理矢理見せつけて来る。避けようがない。


「……それでさっきの件ですけど」

「少し、作戦を練ろうか。今から家に来てくれないか?」

「そうですね。まず、二人組の件から片づけないと」

「うん。まあ、難しく考えなくても大丈夫だ」


 四条邸はここから歩いて数分の場所にある。

昔からある和風の邸宅で、剣道場を合わせた敷地面積は広大だ。










◆◆◆◆◆◆










 公園を出て学校の方角へ数分歩くと、立派な門構えの家が見えてきた。

大きな看板には、四条流剣術道場と書かれてある。


「蒼太郎、広間に案内する」


 広い玄関で靴を脱いで、長い廊下を先輩と歩いて行く。

縁側には庭石が敷き詰められ、これぞ日本庭園といった感じだ。


「ここが広間!?」


 通された部屋は広さ二十畳の和室で、家具がなにも置いていない。

なぜか真ん中にポツンと折り畳まれた布団だけが敷いてある。


「着替えてお茶を用意する。少し待っててくれ」


そう言って先輩はパタンとふすまを閉めた。


「こんだけ広いのに布団だけって……全部押し入れに収納してるのか?」


 部屋も広ければ押し入れも大きそうだ。

真ん中にある布団を広げてみた。下し立ての匂いがする。

真っ白いシーツ、掛布団、枕、ゴミ箱、それと……テッシュ……


「お待たせしたな」


 ふすまを開いた四条先輩は白い肌襦袢を着ている。

髪を和装らしくアップにして、先程とは違う妖艶な魅力を感じる。


「先輩、それ……下着つけてないのでは?」


 湯呑が乗ったお盆を持ちながら、こちらにゆっくり歩いて来る先輩。

正座をして、深々とお辞儀をしてきた。


 そして立ち上がり、パサッと畳に落ちる肌襦袢……

巨大な胸と茂りのない性器があらわになった。


「蒼太郎。報酬の先払いだ」

「え? ちょっと!? 先輩!?」


先輩は掛布団をめくり、全裸で敷布団の上に正座している。



「これが一番の報酬だと思うのだが。違うか?」

「体で払うってやつですか……本末転倒ですね」

「それは違う。さっき自分で言っておいて忘れたのか? 恋愛感情はないが、欲望だけ果たしたいんだろ? わたしは蒼太郎を気に入っているし、大好きだから問題ない。もう裸も見られてるしな」

「そうやって後腐れがないセックスをする女を、ビッチって言うんですよ?」

「好きな男と寝る女がビッチなら、世の中ビッチワールドだぞ」


 自分の鼻息が随分と荒くなっていることに気づく。

目の前の肢体に興奮度のパラメーターがマックス値&フル勃起状態だ。


「姉二人にバレたらシャレになりません……」

「それ以前にわたしに恥をかかせるつもりか? ずっとここで全裸待機か?」

「ふぅ……わかりました」


 本能的というのか、反射的というのか……

その場所へ吸い寄せられるように、ハラリと服を脱ぎながら歩を進める。


 布団で先輩の肩を抱くと、ピクリと反応して物怖じしている様子だ。

青ざめて肩をブルリと震わせ始めた。言葉が行動に伴っていない。


「俺、恋愛経験ないんでよくわかりませんが、先輩は冷静さを欠いています」

「仕方ないだろう。しょ、処女なんだから……」

「これが先輩の体内に入るんですけど?」


 パンツの中で膨張して、天井を向いた自分のものを指差して言った。

先輩はそれを見て、目を見開いて驚いている……


「こんなに大きいのか!? 蒼太郎が特別なのか?」

「花穂姉ちゃんや紗月姉には、でかいって言われますけど」

「なぜ姉たちが弟のサイズを知ってるんだ……青山姉妹は相変わらずだな」

「とりあえず、刺激強いんで肌襦袢着てください」


 布団脇に落ちている肌襦袢を先輩の肩にそっと掛ける。

前が開きっぱなしで、乳房とツルツル女性器は見えたままなのだが……


「蒼太郎。本当にしなくていいんだな?」

「したいけど、できません!」

「これと同じことをするんだぞ? いいのか?」


 先輩は端末の画面をこちらに向けて動画を見せた。

部屋中に動画の音声である、女のあえぎ声が響きわたる。

女が男の上で巨大な胸を揺らし、腰を振って恍惚の表情を浮かべている。

修正のない結合部からは、体液が粘って糸を引く。


「……先輩、本気で言ってます? その動画、おっぱいブルンブルンでチンコとマンコがグッチョングッチョンのネチョネチョですよ?」

「え? あ!? これじゃない!! わたしが選んだのはもっとソフトな……」

「あの、先輩がやろうとしてたことも、それと大差ないんですけど?」

「この動画みたいにするのか? 気持ち悪いな……これ」

「報酬とかより対策を考えましょうよ」

「蒼太郎っ!!」


 先輩は俺に抱きついてきた。

腕に爆乳と呼ぶにふさわしい柔らかく熱を持った物体が接触中。

目線を落とすとパクリと割れた股間がモロに見えている。


「先輩、帯を締めてください」

「ますます蒼太郎が気に入った! こうなると目の上のタンコブは紗月さんと花穂ちゃんか。あのブラコン姉妹は弟に近寄る女に警戒心強いからな」

「今、うちの姉は関係ないでしょ……」

「青山姉妹には恋敵として宣戦布告する」

「えーっと……最初の話からずいぶん脱線してますよね……」


 この後、プールで先輩に絡んで来る二人組の対策を練った。

お互い少々興奮気味なのか、過激な意見が飛び交うばかりだったが……

次に奴らが現れたときに駆けつけることを約束した。










 先輩の家をあとにした俺はおかしくなりそうなほど悶々としていた。

姉たちへの意味不明な宣戦布告宣言……もう嫌な予感しかしない。


(――先輩の肌きれいだったな。あと、すごい爆乳とパイパン)


 もし、欲望のままに交わっていれば今頃どうなっていただろうか。

そんな妄想が始まる……

避妊具さえ用意していない四条春香との初体験。

あの爆乳は、動画のように揺れるのだろうか。


 思い出して興奮冷めやらぬ……

パンツを突き破り、天を突き抜けるほど欲棒が反り勃っていた。


――見上げた初夏の空は、どこまでも蒼かった。

その蒼さは、俺自身の青臭さを心に投影しているかのようだった。



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あとがき

※この話で第五章は終了です。

※関連した話は番外編や本編で出ています。

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