2.美爆乳とパイパンなんてありですかっ!

「蒼太、入口の団体さんが出るまで待ってね」


 花穂姉ちゃんはロッカーを少しだけ開いて、下着と服を取り出した。

それを手早く着用している。この前、部屋に落としていたパンツだ。


「姉ちゃん、目の前で着替えるなよ!」

「いいじゃん、蒼太見慣れてるでしょ!?」


 見慣れているのは、ベッドや風呂場に侵入するからだ。

それにしても、この状況は実にまずい……

サイズの小さな競泳パンツを穿き、頭からは女性用競泳水着をかぶっている。


「先輩はもう着替えたのか?」


 花穂姉ちゃんは、四条先輩といっしょにいたはずだ。


「先輩はもうすぐ着替えに来ると思うよ! ちょっとトイレ行くね」


 狭いロッカーの中で、素敵なほど変態な格好のままひとりにしないでくれ……


 更衣室の入り口付近からは、まだ女性の喋り声が聴こえる。

ガチャンとドアを開く音がした。誰かが更衣室に入って来たらしい。


「花穂姉ちゃんが戻って来たかな?」


 ロッカーの小窓から外を確認した。やって来たのは四条先輩だった。

こちらへ歩いて来て、ロッカーの真正面でピタッと止まった。

ここは花穂姉ちゃんが使用中のロッカーのはずだ。


(やばい!!)


 先輩は水着の肩紐をゆっくりとおろし、谷間があらわになった。

水分を含んで肌に張り付いた水着を、脱ぎにくそうにズルズルと下げていく。

豊満な乳房が弾けるように飛び出して、ブルンと揺れ動いだ。



(――これは……でか……じゃない、やばい!!)


 紗月姉より大きな胸を直接見るのは初めてだ。

先輩の方がやや細身だというのに、このボリューム感は凄まじい。

しかし、気になるのは胸元にも一枚絆創膏を貼っている点だ。


(――蚊に刺され過ぎでは……)


 やがて、水着は足元までおろされて先輩は全裸になった。

そこで大変なことに気付いてしまったのだ……


(うわ! 先輩……毛の処理が入念過ぎるだろ……パイパンか!」


 先輩の脚の付け根、通常ならあるであろう茂みがない。

わずかな剃り跡が見受けられ、割れ目がはっきり見えている。

圧倒的ボリュームの乳房と陰毛のないアソコ、人生最大の衝撃的な光景だ。


 姉以外の全裸を初めて目にした興奮。

花穂姉ちゃんの水着の裏地が眼の前にあるという状況。


 熱膨張したペニス号を競泳パンツが格納不能になっている……

亀頭の先っぽがぶっ飛び出して、こんにちは状態だ。


(ダメだ……このままじゃチンコでロッカーの扉が開いてしまう……)


 ロッカーはひどく狭い。膨張した股間とロッカーの扉は接触している。

今、見つかれば俺の人生は終了するだろう。

頭から女性用の水着をかぶり、競泳パンツからは先っぽが飛び出している……


(姉ちゃんまだかよ……)


 そのときだった。四条先輩がロッカーの扉に手をかけた。


(――終わった……)


 ガチャンと更衣室の扉が開く音がして、パタパタと誰かが駆け寄ってきた。


「先輩っ! そっちわたしのロッカーですよ」

「そうだったな。すまない、花穂ちゃん」


 危機一髪だ……花穂姉ちゃん。

どうやら隣りのロッカーと勘違いしたようだ。





 四条先輩は着替えを終えて、食堂へ向かったそうだ。

入り口で騒いでいた女性たちも、既にいなくなっている。


「蒼……ぷふふっ……くくっ……ド変態がいるっ!」

「姉ちゃんがかぶせたんだろ……特に役にも立たなかったぞ?」


 かぶっていた競泳水着を取り外し、手に持った。


「役に立たなかったって……あははっ……ちゃんと勃ってるじゃないっ!」


 腹を抱えて笑いながら、競泳パンツから飛び出した先端を見る姉ちゃん……

もう隠す気も失せるアホらしさだ。


「俺、トイレで着替えて来る」


 更衣室をあとにして、トイレの個室に駆け込んだ。

意識したわけではないが、頭にかぶっていた水着を持ったまま来てしまった。


(花穂姉ちゃんが着ていた競泳水着……)


 股布がまだ湿っている。嗅いでも塩素の匂いがするだけだ。

口に含んで吸ってみた。やはり、プールの水の味しかしない。


「――姉ちゃん、姉ちゃん……ううっ!」


 胸の部分と股部分を嗅いで、勃ったら巻きつけてぶっかける。

あとは洗面台で水洗いしてから花穂姉ちゃんに返そうか。









◆◆◆◆◆◆








 着替えを終えて、施設内の食堂で四条先輩と合流した。

先輩は既に食事を終えて、スポーツドリンクを飲んでいる。


 ライトグレーの有名スポーツブランドのスウェット上下と白無地のTシャツ。

湿った髪をトップに束ね、上着のファスナーは開けたままだ。

時折、垂れ下がる横髪を耳にかける仕草が妙に色っぽい。


「蒼太、さっきから先輩見すぎ!」

「いや、変な意味で見てるんじゃないって。紗月姉もそうなんだけど、四条先輩も大人っぽいなぁって思ってさ」

「むぅ。それ、お姉ちゃんは子どもっぽいってこと?」

「花穂姉ちゃんも、大人っぽくなりつつあるぞ」

「なんだか微妙な言い方」


 同じ姉妹でも、紗月姉に比べれば花穂姉ちゃんは少し顔つきが幼い。

体のほうは、成長真っ只中で今後も期待できるだろう。


「花穂ちゃん、お願いがあるのだが聞いてもらえないか?」


 四条先輩が花穂姉ちゃんに切り出した。


「なんですか? できることなら協力しますよ」

「このあと少し、蒼太郎を借りてもいいか?」

「え!? 俺?」


 注文したラーメンを食べる手が止まってしまった。

先輩が俺になんの用があるのだろう……


「うーん……蒼太時間ある? 頼めるかな?」

「ああ、わかった。花穂姉ちゃんは先に家に戻ってくれ」

「花穂ちゃん、すまない。礼を言う」


 一礼してから顔をあげた先輩は、鋭い目で俺を見ている。

……まさか、ロッカーにいたことバレてる!?

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