2.ジェットバスで陰部刺激を目撃ですっ!

 食卓に並ぶ貝類と花穂姉ちゃんのおふざけで完全に食欲をなくした俺。

紗月姉が去ったと思えばこの有り様だ……


「蒼太、食欲ない?」

「姉ちゃん、ここにソーセージがあるとしてさ、俺が股間にあててブランブランしたのを美味しく食べられるのか? 逆に考えてみてくれよ……」


 花穂姉ちゃんが小食で、食卓の貝類がなかなか減らない。

これは保存が効くよう、佃煮にするしかないだろう。


「ごめん、蒼太。あんなの見たくないよね? するときは部屋暗くするし、挿入するとき以外モロに見えないから。それに、蒼太のデカチンなら痛くても頑張る!」

「姉ちゃん! なんの話してるんだよ!?」

「だから、蒼太のはソーセージより大きいってことでしょ?」


 目の前で性器に模した食べ物を、食べられるか否かの話をしたはずだ。

それが姉の脳内変換で性行為に及ぶ話になっている。

想像以上にぶっ飛んだ謝罪に返す言葉がなくなってしまう……





 残った貝類を花穂姉ちゃんが味付けをして、佃煮を作っている。

グツグツと煮え立つ鍋から醤油と磯の香りが漂ってくる。


「姉ちゃんって、料理うまいよな。いいお嫁さんになれそうだな」


 エプロン姿でコンロの前に立つ姉の立ち姿は、凛として美しく見えた。

真剣に調理する横顔につい見入ってしまう。


「蒼太? プロポーズは嬉しいけど、一八歳にならないと入籍できないよ? 挿入は可能だけどねっ」

「求婚じゃないし、挿入ってなんだよ!? ちゃんと鍋見ないと焦げるぞ」

「挿入は決まってるじゃないっ! ズッ婚バッ婚で妊娠よ」

「花穂姉ちゃん……アホだろ!」


 こうして姉と馬鹿話をしながら過ごす日常は楽しいのだが……

たまにハメを外してくるのが厄介なのだ。










◆◆◆◆◆◆









 調理と片付けを終えた花穂姉ちゃんは、旅の疲れを癒すために入浴中だ。

ご機嫌な鼻歌が、リビングでくつろいでいる俺の耳にも聴こえて来る。


「よし、今日はちょっとだけ仕返しするか!」


 いつもいつも度が過ぎた言動に振り回されているのだ。

たまにはこちらから反撃して、花穂姉ちゃんの反応を見てみたい。


(鼻歌を歌ってるときは、シャンプーか体を洗ってるときだな……)


 今から実行する逆襲は、やられたことをやり返すだけの単純な作戦だ。

花穂姉ちゃんが浴槽に浸かっているときを見計らって、風呂に侵入してやる!


 足音や呼吸音を押し殺して脱衣場に入った。

擦りガラス越しでよく見えないが……浴槽に浸かっているのは間違いない。


 ジェットバスを噴出する湯が弾ける大きな音がするからだ。

ゆっくりと服を脱いで、風呂のドアを音を立てないように開く。


「……んっ……んんっ……はぁっ……はぁあっ!」


 チラリと中を覗くと、ジェットバスを股の間に噴射させ、花穂姉ちゃんは真っ赤な顔で天井を向いて目を閉じている。グリグリと腰をうねらせたり、吐息が荒くなって声を漏らしたり……



(やばい。これは……見ちゃいけない場面だな)


 今なら湯が弾ける音で気付かれていない。

物音を立てずに風呂場のドアノブに手をかけたとき、急にジェットバスの音がピタリと止やんだ。


「え!? 蒼太? う、嘘っ……なんで!? 今の見てた!?」


 ゼイゼイと肩で息をしながら、真っ赤な顔の花穂姉ちゃんがこちらを向いた。

目には零れ落ちそうなほど涙が溜まっている。


「ごめんっ!! たまには仕返しで驚かかせてやろうと思って、こっそり入ったんだけど……」

「うう……すごい場面見られたぁ……もう蒼太の馬鹿!」





 その後、逆襲したつもりが、風呂場で説教をくらうハメになった。

普通、世間一般の姉なら、ここで悲鳴のひとつでもあげるのだが……

うちの姉は真逆なのだ。強制的に混浴させられてしまった。


 浴槽に浸かり、背中合わせで会話している。

二人ともタオルを持って入ってないからだ。


「姉ちゃん、もうこんなことはしない。絶対、入らないから」

「そんなことを言ってるんじゃないよ。入るときはまず声を掛けてよねっ!」

「わかった……いやいや、風呂には入らないから!」

「蒼太さ、今のが逆の立場だったら恥ずかしいよ?」

「やっぱり姉ちゃんでも恥ずかしいのか……」

「他の男の人だったら撃沈だね。蒼太だからいいかなって思ってる」


 なるほど。俺には自慰を見られてもいい。

なかなかストレートな変態発言をするものだ。

それに今浸かってる湯、いろんな成分混じってそうで抵抗あるんだが……


「話変わるけど、花穂姉ちゃんはモテるのに彼氏作らないのか?」


答えはわかりきっているけど……今はとりあえず話題を変えたい。


「お姉ちゃんが他の男にベッドで恥ずかしい格好させられたり……想像してみて! 嫌じゃない!?」

「姉ちゃん……生々しいこと言うなよ……でも、それ考えたらなんか嫌かも?」


 浴槽のお湯が波打った。花穂姉ちゃんが背中に抱きついてきた。

姉の紗月には劣るものの、並盛の感触が伝わる。


「蒼太……朝までいっしょに寝よっ! ついでに寝る前に新婚初夜!」

「初夜!? なんのついでだ!」

「つまり、今夜は蒼太と初めてのセック……」

「はい、それは却下っ!」


 紗月姉との違い、それは花穂姉ちゃんの肉体にはなぜか興奮しない。

なんでだろうな。母親みたいな存在だからだろうか。

……と、俺はヘニャンとしょげて、下を向くチンポコさんに問うてみた。

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