3.マッサージで絶対そこは弄りませんっ!

「はい、動画消すからね」


 花穂姉ちゃんがこちらに液晶画面を見せながら、動画削除ボタンを押した。

これで俺が姉のパンツを嗅いでいる変態動画は消えたはず。

バックアップさえ取っていなければの話だが……


「ごめん。俺、先に風呂入るわ……姉ちゃん侵入禁止な!」

「パンツ、洗濯カゴに入れる前に手洗いしなよ?」

「……うっ、わかってるって」


 誰のせいでこうなったんだ……

パンツの心配までされると、だんだん情けなくなるな。






 浴槽に浸かりながら思い浮かべたのは、さっきの姉ちゃんの顔だ。

ダイエットと言うより、ただ俺で自慰行為を楽しんでいたのではないのか。


「蒼太っ! ちょっといいかな!?」


 脱衣場の入り口から花穂姉ちゃんが俺を呼んでいる。

既に嫌な予感しかしない。二度あることは三度も四度もある。


「いいやっ! 花穂姉ちゃん、ちょっともそっともよくないっ! 来るな!」


 前回と同じパターンだ。擦りガラス越しに服を脱ごうとする姿が見える。


「蒼太のアホッ! ドケチッ! デカチン!!」


 最後のは褒め言葉になっている気がするが……撃退に成功したようだ。

ただ気になるのは、姉が服を脱いでしまう前に声をかけてきたことだ。


 追い返されるのがわかっていて、声をかけてから脱ぐフリをした?

嫌な予感がする。またなにか企んでいるのかもしれない。





 入浴後、台所で牛乳を飲んでいると姉ちゃんが風呂の用意をして来た。

何度も言うが、この姉は学校で生徒会長だ。誰の目から見ても、優等生なのだ。

その姉が堂々と下着姿でおりて来た。


「花穂姉ちゃん! 下着でウロウロするのやめろよなっ!」

「んじゃ、裸ならいいってことねっ!」


 スルスルッとブラジャーを取り外して、ズルンと一気にパンツを脱ぐ。

そして、悠然と風呂場へ歩いて行った。



「裸は余計ダメだろっ!」


 姉のうしろ姿に見惚れている自分に気づき我に返るが……

どうも、俺が気になっているのは姉の手にあるパンツらしい。









◆◆◆◆◆◆









 部屋に戻って課題を済ませ、雑誌を読んでいるときだった。


「蒼太、お楽しみの真っ最中以外なら、ピッキングをしてでも入るけど?」


 花穂姉ちゃんがドア越しに卑猥かつ物騒なことを言っている。

やっぱり、施錠しても侵入されるさだめなのか……


「入っていいよ! ってか、お楽しみってなんだよ!?」

「説明しよっか? 旧約聖書の創世記三八章、ユダの次男でオナン……」

「ああっ、それいい! それ以上言わんでいいから!」

「オナニーねっ」

「はっきり言うな!」


 俺が寝転んで雑誌を読んでいるベッドに姉がポフっと腰掛ける。

次はなにをしでかすのか、しばらく雑誌を読むふりをして放置すると……


「いでっ! いてて……痛い痛いっ!」


 背中を指圧されているようだ。グリグリと指先で押されているのがわかる。

姉ちゃんはマッサージが下手なのか、ただ痛いだけなのだ。


「はい! 蒼太、次わたしの番ね! 背中と腰よろしくっ!」

「早っ! もう交代?」

「お姉ちゃん日頃から生徒会で疲れてるんだけど……」


 甘えたような表情で、髪を耳にかける仕草をする。

これも学校では絶対しない。姉は清楚で控えめに振舞う。

どちらかと言えば、色気を表に出さずに隠すタイプだ。


「わかったよ。それじゃあ交代。姉ちゃん、ここ寝転んで」

「全部脱いだほうがいい? それとも蒼太が一枚一枚剥はぐように?」

「いいや。服脱ぎ始めたら退場な……」


 うつ伏せに寝転がる花穂姉ちゃんの背中を親指でグリグリ押さえる。

Tシャツを着ているのはいいが、ブラジャーを付けてないようだ。



「ぅふっ! くぅっ! あんっ、痛いた気持ちいいっ!」

「姉ちゃん! 急に変な声出すなって!」


 背中から腰へと下がって、手の平を使って腰をほぐしてみた。


「蒼太ぁ、それいいよ……そのままもっと下も……」

「え? もっと下?」


 ええっと、これより下はぷっくらお尻ちゃんになるのだが……

臀部をブニュブニュと手の平で揉みほぐすと、短パンの上からでも尻の感触が伝わって来る。


「うん。そこ……もっと下へ行って! もっと真ん中、両脚の付け根辺り……」


 姉ちゃんはうつ伏せに寝転んだまま、やや脚を広げた。

真ん中で両脚の付け根……


「なあ、姉ちゃん。そこ、マッサージする場所と違うよな?」

「そうだね、マッサージって言うより蒼太の指で弄いじる部分?」

「そこって、コリはないはずだよな?」


 どう見ても花穂姉ちゃんが指示する場所は股間、つまり未知のゾーンだ。


「コリはないよ。クリはあるけど、触ると気持ちいいの。すごいよ、蒼太びっくりするよ」

「すごいのか? パンツにシミできるとか?」

「もっと濡れるんじゃないかな? 触ってみる? 優しくしてねっ」

「はいはい、ストップ! 今日は解散なっ!」


 不思議な気分だ。花穂姉ちゃんのアソコを存分に弄いじくり回すチャンスだというのに、そんな欲求がない。


 やはり、俺にはシスコンストッパーが付いているのかもしれない。

しかし、あの短パンからのぞく薄ピンクのパンツは……存分に嗅いでみたいが……

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