第147話【へリングの館にて】

「はぁ?襲撃前に火事になってたから帰って来た?」

「えぇ・・・」

「・・・まぁ火事の最中に襲うのも変だし別に良いけども・・・」


カピパラ牧場に向かったへリングの使いは

レッド・へリングの屋敷に戻り事情をへリングに伝えていた。


「しかし火事ねぇ・・・おっちょこちょいなのかしら」

「それは如何か分かりません・・・」

「・・・そういえば他の参加者の所に向かった連中は如何したのかしら?」

「まだ帰って来てないんですか?」

「うーん、そうなのよねぇ・・・」


へリングは化粧台に向かって化粧をする。


「へリング様!!大変な事が分かりました!!」


バタンとドアを開けてへリングの手下が入って来た。


「如何したの?」

「参加者のラン・ハンゲルド、【破魔の刃】の首領らしいです!!」

「何ですって破魔の刃!?あのテロリスト!?」

「えぇ!!間違いありません!!警邏から要注意人物としてマークされている人物です!!」

「そんな奴が何故ミスコンに!?」

「恐らく資金調達の一環であると思われます!!」

「なるほど・・・確かにミスコンのルールにはテロリストは参加してはいけないと

言うルールは無かった、ルール上問題無い・・・盲点だったわ」

「いや、ルール上良くても法律上ではアウトなのでは?」

「逮捕される可能性が非常に高い、でも観客席を破魔の刃関係者で埋め尽くしたとしたら?

逮捕される確率は下がるんじゃないの?」

「へリング様、ならば今回のミスコンは中止した方が良いのでは?

テロリストとミスコンなんて正気の沙汰じゃありません!!」

「ふむ・・・」


へリングはウォッカを一瓶開けて気を落ち着かせて言い放った。


「テロリストが怖くてミスコンを止めるなんて恥ずかしいわ!!

夫もそう言うでしょう!!」

「そ、そんなぁ・・・」

「我々にテロリストを如何にかしろと?」

「いや、それは警邏の役割よ、ラン・ハンゲルドの居場所を警邏にリークすれば

彼女は終わる、そしてラン・ハンゲルドの居場所は確実に割れる」

「如何いう事ですか?」

「ミスコンに出るのならミスコンの会場に来なければならない

後は分かりますわね」

「そういう事ですか・・・」

「今回、気にしなければならないのはカピパラ牧場の娘とメアリーと言う少女の方よ

メアリーと言う少女について分かった事は有る?」

「それは・・・」

「まだなのね、ならば待つ必要がありそうね・・・」

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